市販の手指消毒用アルコールって申請いるの?
わりかし最近よく話題に上がるトピックです。
お客様用にロビーの入口に、キャスト用に袖中に、小道具や衣装のメンテ用に舞台袖や楽屋にとアルコールを使用する機会がグッと増えました。
コロナ対策で必要不可欠ということもあり、消防署でもアルコールの取扱いが非常にややこしいことになっているようです。
そして多分劇場、舞台に関わる多くの人はそのことを知らない。というか気にしていないと思います。
僕も消防署にいく機会がなければ今現在どういう法律(状況)になっているか意識しなかったと思います。
確かに今までも知らずにやっている人は多いと思いますが、知っているのと知らないのとでは何かあった時に雲泥の差です。
2021年4月現在、結論としては
“市販されている手指消毒用のアルコールも条件によって申請が必要になります”
僕も手指消毒用アルコールで実際に申請したことはまだありませんが、
2020年9月に消防署から手指消毒用のアルコールの設置について新たに告知がありました。
このことについて今回はまとめてみようかと思います。
前提として劇場へのアルコールの持込みは消防法というものによって細かくルールが決まっております。
その中で原則として劇場内(不特定多数の人が出入りする場所)には濃度60%以上のアルコールは量に関わらず持込みは禁止となっています。
持込むには禁止行為解除申請をして消防署の許可を受ける必要があります。
60%未満の消毒用アルコールであれば申請は必要ありませんが、市販されていて簡単に手に入りやすい消毒用アルコールの中には60%を超えているものも珍しくありません。
そもそも禁止行為解除の申請は上演中、つまりお客さんがいる時に(防火区画として)劇場内にあるかどうか?ということが判断基準になります。
劇場ではない稽古場などで使用しても消防署への申請の必要がないのと同じで、上演中でなければ劇場内にあっても問題にはなりません。
ただ消防署への申請がないだけで、その場所ごとのルール確認は必要ですのでちゃんと管理している所に聞いてくださいね。
そして今回の9月で大きく変わった点はここです。
手指消毒用アルコールで500ml以下の容器に入ったものはアルコール濃度60%以上でも申請を受けずに設置可能になりました。
今までは1mlでも危険物扱いだったのに、500ml以下の容器に入っていればOKと緩和されました。
600mlの容器だったりする場合には申請が必要だし、500ml以下の容器であれば2つでも3つでもOKということ。
理に適ってませんが、容器のサイズと手指消毒用という2つがポイントになってます。
ただもう1つ別角度のポイントが。
消防庁のこのページ。
このページの下の方の
[ 3 消防法上の危険物に該当する消毒用アルコールについて]
に記載されています。
上記の左部の表に書いてあるのですが、
建物内でアルコール濃度60%以上のアルコールを80リットル以上保管する場合は、別途消防署への申請や届出が必要となります。
これは建物ごとに適用されるというのがポイントで、カンパニーから持ち込まれるものだけでなく、そもそも劇場内にある濃度60%以上の消毒用アルコールも総量に加算されるということ。
この消防法は以前から変わってないのと、劇場内だけではなくすべての建物に適用されるということがポイントです。
なのでかなり大量に持ち込むと知らず知らずのうちにオーバーしてしまっているということが起こるようです。
どうでしょうか?
まあこれを見ても背に腹は変えられないと思うのが現状かとは思いますが、知っているのと知らないのでは全然違うんじゃないかなと。
もし「へえ〜、そうなんだ」って思っていただけたら幸いです。
よければハートマークもよろしくお願いします。
ではでは。
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