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森と子どもとArtと、おとな。



9月13日 西村山にて(撮影:南昴希)


東京藝術大学 先端藝術表現科 小沢剛研究室の精鋭メンバー!からなる「ヤギの目」チームが、遠路はるばる。
鳥取県智頭町のちっこい森のようちえん「空のしたひろば すぎぼっくり」を拠点とした「智頭ヤギの目」とのコラボワークに!

やってきたんだよ。わちゃわちゃ!



昨年の12月鳥取県立博物館にて、現代美術家 小沢剛氏とヤギの目プロジェクトとの出会いがあり。それから7カ月あまり。
夏休みに入る一日前に!ついに、ヤギ二頭がすぎぼっくりに迎えられた。

子山羊さんかわいいい!瞬く間にアイドル


環境の整備や慣れないお世話にドタバタしながらも、その愛らしさに「すぎぼっくりメェーメェー倶楽部」会員たちは目じりを下げ、癒しを求め、ヤギしかいない休暇中の園舎に足しげく通ったのであった。

白ヤギのひのきちゃんはとても人なっこくて食いしん坊。黒ヤギのすぎちゃんは、慎重派のこわがり屋さん。

初日からなでなでさせまくってくれたひーちゃん
好物の柿の葉がないと
リードを着けることも難しかったすーちゃん


すーちゃんはなかなか近づかせてくれなかったのだけど、夏休みが終わり、毎日園児や保護者達との触れ合いが活発になったところで急速に距離が縮まった。

子どもたちと活動フィールドで一緒に過ごすことも増え、ヤギさんもすぎぼっくりのみんなも、お互いの存在が自然に意識されるような関係が充分に築けた9月の2週目。
小沢教授と助手さん、学生さんの総勢11名(と助手さんのお子さん二歳男児くん)が智頭へ!


3日間、園児たちの保育活動と行動を共にし、ノルウェーの民話をもとにした有名絵本
「三匹のやぎのがらがらどん」から着想を得たひとつの舞台をみんなで作り上げる。
という!楽しさマンサイプロジェクトの実施!

夢のような空間だった


むむむ、、!めっちゃくちゃおもしろそうやんけ!たまらん!というワクワク感と、
う~ん、自由気ままな子どもたちとひとつの作品を作り上げるって、どうやって進めていくんだろ??
なんてドキドキもあったりして。



舞台は、普段の活動フィールドのひとつである「西村山」。
廃材やその場で手に入る自然物を使って「がらがらどんとトロルがやりあう橋」という情景を、奥深い森の中に縦横無尽に組み上げていく。

トロルが住み着く谷、
の趣かもすちょっぴりブキミなオブジェとか
いつもの西村山がなんだか違って見える
やギーズも西村山にきたよ


大人たちは「プロジェクトを完遂する」という姿勢ではなく、あくまでも、楽しく。
普段の保育活動で大切にしているように、子どもたちが興味を持ったことに自由な姿勢で参加できるような、そんなやわらかい雰囲気があった。
おにいさんおねえさんのやることをまじまじと見つめ、「やってみたい!」と気持ちが動く。そんなふうに自然に共同作業が進んでいた。

はじめて見る道具に興味しんしん

古着を集めての衣装づくりもとても刺激的!
針も糸も使わずに、ひも状に裂いた布と、はさみで入れた切込みを編み上げるようにして、くたびれた子ども用シャツ・ズボンなどが、、なんとも愛らしいヤギ耳帽子や森の妖精のマントになっちゃうんだもの、、!

時間をかけて小沢先生と学生さんたちと関り、自分たちの手を入れて作り上げていくことで、子どもたちの意識が「衣装を着て、ヤギになって、トロルをやっつけて橋を渡りきるんだ~」という心持ちに向かっていった。

「がらがらどん」の絵本では醜い姿だったが、
西村山に住み着いていたのはなんとも美しい
妖精みたいなトロル。
お母さんのタンスの肥やしワンピースが
こんなに素敵な衣装になるなんて!
トロルは一匹ではなかった~!
妖精トロルにじゃんけんで勝ち進んだ先では
ワイルドな切り裂きマントのトロルとポージング勝負!
がんばれ~~!
第三の刺客は毛がボーボーならぬ草ボーボートロル。
おもむろに近づいてきたリアルヤギさんに
ムシャムシャされちゃって大爆笑!
ひーちゃんの攻撃で弱ったぞ、今だやっつけろー!
三匹のトロルをやっつけて、やっと川を渡り切ろう!
とその時、、
背後から現れたるは、、ラスボス!
クマの毛皮を被ったちゃっしーートロル!!!
(園スタッフ)


迫真のちゃっしーートロルに泣き叫ぶ子、怯える黒ヤギのすーちゃん、、
お母ちゃんがノリノリで叩きまくるジャンベが鳴り響き、濁流を模した白い布が激しく揺れるカオスの極み、、!

みんなの応援を受けて、勇敢な男児数名がラスボスに躍りかかる!

ねじ倒したーーーーーーーーーーーーー!!!!
うおおおおーーーー!


大歓声が上がったとともに、激しかった音楽も川の流れも、、だんだんと落ち着きを取り戻し、、


真剣勝負でもって心を通わせた子ヤギたちとトロルは
握手を交わし、森を愛する者どうしお友達に。
大団円となりました、、!





ふと見上げた景色がはっとするほどきれい


みんなの力を合わせて立ち上げた円形の舞台、中央ではかまどの煙。
木漏れ日が降り注ぎ、ハラハラと落ちる葉っぱと太鼓の音、、子どもたちとアーチストのやさしいエネルギーが満ち満ちて。

昼食作りの補助や何か手つだいできることがあれば、、なんて気持ちで参加したお母ちゃんお父ちゃんもみんなみんな、西村山にいた全ての人が、自然と演者としての一体感を味わった素晴らしいひと時だった。


おみそしるコトコト。


うちの息子さんは、お気に入りのマントをつけてお父ちゃんと火の当番。
子ヤギになってトロルと戦う場面には最後まで参加しなかったけど、遠巻きに観察しながら彼なりにこの日を楽しんだようである。
お昼ご飯を食べて普段の保育に近い自由な活動がはじまると、かわいい学生のお姉さんに自分から声をかけ、あっちに行こう、こっちに行こうと連れまわしていた。うん、確実に楽しんでいる。


自然と子どものありのままの姿、それを見て我々大人はどこか切なくさせ、何かを懐かしみ、思い出すことを思い出す。そんな時うずうずしてるのは、純粋さと好奇心と、生まれ持ったクリエイティビティなのかな。

小沢先生は、高い木の枝から吊り下げられたブランコにブンブン揺られて
「サイコー!園児になりたい!」と言っていたそうな 笑

自分の表現に真摯に取り組む藝大生達の姿もとても刺激になった。そのまっすぐさを見守り、指導鞭撻というよりも、ともに楽しむ姿勢でもって学生たちと関わる小沢先生は
「すぎぼっくりの見守り保育と似ていると思いました」とかなんとか夫が懇親会のコメントで言ってて、先生も笑顔でうなずいていたのが見えた。

森の妖精の長みたいな
現代美術家 小沢剛さんだよ


本当に楽しかった!
子どもにも、学生にも、保護者にもスタッフにも小沢先生にも、そしてヤギ。みんなみんなが、それぞれの存在から生きた学びを得た3日間だった。
ぜひまた、一緒に過ごしたい!
そしてこの体験で思い出した「私のクリエイティビティ」を育て、これからすぎぼっくりのみんなで楽しく刺激し合っていきたいな。



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