見出し画像

獲物の分け前〜サエキけんぞう・中村俊夫「エッジィな男 ムッシュかまやつ」

 最近、古本といか古雑誌や古書籍はネット通販で購入してます。
地元にも某大手新古書店はあることはあるのですが、狙っているような本はなかなか入らないので立ち入る機会もほぼなくなっています。
実際に本は手に取って眺めてから買うことがベストなんですが、その機会がなくなったので、ネット通販で探すようにしていますね。
じゃ、行ってみよー。

・サエキけんぞう・中村俊夫「エッジィな男 ムッシュかまやつ」(リットーミュージック)

 著者のサエキけんぞうさんはご存知、パール兄弟のヴォーカリストであり、作詞家やエッセイストなどで活躍中ですね。
中村俊夫さんはレコード会社(確かトリオ・レコード)のディレクターとして活躍されていて、CDの再発やライナー執筆、元ミュージック・ステディ編集長の市川清師さんとのRock Steady Orgnizationとしても活動されてました。
ちなみにかまやつひろしさんの『ゴールデン・ベスト』ソリッド・レコード編のライナーも中村さんが執筆されています。
ちなみにカバー写真は井出情児さん、装丁はサリー久保田さん(!)によるものです。

 この本は某ネット通販サイトで入手したのですが、最高のコンディションだった上にかなり安く入手できました。嬉しい。

 かまやつさんの足跡を日本ロック、ポップスの流れの中で検証している本なわけですが、その意味でもサエキさんと中村さんの組み合わせはかなり適切だったと思うわけです。
挿入されている写真も貴重なだけではなく、まさに日本のロック、ポップスの中でのかまやつさんがどのような位置にあって、継承していった部分についてもわかりやすくなるような形ですね。素晴らしい。

 ザ・スパイダース以前のロカビリー時代、ザ・スパイダース時代にフォーク・シンガー時代、ロック・ミュージシャン時代や渋谷系以降など、活動の幅広さ迫る内容です。

 ちなみに私がかまやつさんのレコードを初めて買ったのはシングル盤の「我が良き友よ」でして、発売から少し経ってからでしたが、まだテレビ出演を頻繁にしていた時期でしたね。
ライヴやインストア・イベントに参加して立ち話したこともあるのはいい思い出です。
そして、私がブレッド&バターを好きになるきっかけはかまやつさんがラジオ番組で「フォーク・デュオがいっぱいいるけど、どれも演歌色が強くて好きじゃない。ブレッド&バターだけにはシンパシー感じるけどね」(大体の意味)というコメントに背中押された中学生だった私です。

 かまやつさんの功績は記録に残っているものだけではなく、形として残っていないものも多いので、その部分にまで踏み込んだ本だと思います。買ってよかったなー。

 ではまたー。


 

 

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集