読書日記~とり・みき短編集編。
皆さんは一番好きな漫画家さんは?と訊かれると、どう答えますか?
私の場合、「石森章太郎さんの特撮ドラマの原作もの、例えば『人造人間キカイダー』とか『仮面ライダー』が好きですね」と、ちょっとぼかした答えにしていますね。
漫画の単行本をそれなりの数持っていた(実家に戻った際、ほとんどを処分してしまったので過去形)のと、雑誌もかなり長い期間チェックしていたので、作品重視になってしまったのでした。
その中でもとり・みきさんは特別な存在ですね。
とり・みきさんでとにかく好きだったのは雑誌平凡パンチに連載されていた「愛のさかあがり」で、リアルタイムで単行本を購入したぐらい大好きでした。
当時の単行本は雑誌サイズだったし、好きな作品には必ずカバーしてもらっていたので、無理やりカバーをお願いしたから(そもそも用紙がなかったはず)ちょっと嫌がられたかもしれません。。
えーと、「愛のさかあがり」は現在ちくま文庫で出ているのかな?もしかしたら売り切れ状態かもしれません。。
この機会に探してみることにします。
・とり・みき「クリスマス・イヴ」
『だまって俺について来い』(青林堂)より
とり・みきさんの作品で一番好きなのはこの短編で、ビーチ・ボーイズに私が興味を持った頃に読んだ作品でしたから、とにかく夢中になった記憶があります。
どの雑誌に掲載されていたか?全く覚えていないのですが、「歌謡漫画」みたいな形の雑誌かムックに載っていたのかもしれないと今思いました。
ラストというかオチについては全く記憶になかったので、単行本を買ってから「こんなオチだったんだ!」とわかって、ちょっとガッカリしてしまいました(今ではこのオチ好きですけど)。
・とり・みき「いかにして私は心配するのを止めて山下達郎の音楽を愛するようになったか」
『RARE MASTERS』(河出書房新社)より
これはロックとマンガ、アニメの伝説的存在のミニコミ誌「VANDA VOL.3」か初出で、1991~1992年に行われた山下達郎さんの『ARTISAN』ツアー・パンフレットに加筆修正されたものが掲載されたんですよね。
もう30年前になるのか!ビックリしますわ。
「VANDA VOL.2」を書肆アクセス(神保町にあった地方小流通出版物を取り扱っていたお店)で見かけて、即買いしました。
後に発行人の佐野邦彦さんと近藤恵さんにお会いした時、その辺について話したことがありますね(「アクセスで買った人と出会えたんだ」という反応でした)。
ちなみにこのVOL.3は山下達郎さんインタビュー(インタビュアーはとり・みきさん)が掲載されたことでディスク・ユニオンさんにも並んだことを覚えています。
割と書肆アクセスには頻繁に通っていたので、閉店までの期間、できる限りはアクセスで購入するようにしていました。
友人用に「定本はっぴいえんど」や自分用に「定本ジャックス」を注文して、なかなか入荷しない時期だったにも関わらず、美品が入荷したのを覚えています(まだ商品管理をパソコンなどでやっていない時期だったので、割としつこく注文すれば入るかもしれないとスタッフの方に言われたのでした)。
・とり・みき「クレープを二度食えば」
『とり・みき リリカル作品集 クレープを二度食えば』(徳間書店)より
・とり・みき「クレープを二度食えば」
『クレープを二度食えば』(ちくま文庫)より
この2冊、タイトルは一緒ですが、内容は重複しているものの別編集になっています。
SNSで近年話題になったのはタイトル作品にフリッパーズ・ギターの『ヘッド博士の世界塔』と「DOLPHIN SONG」が登場していたからでしょう。
作品の発表から30年以上過ぎてもこういう形で評価されることは非常に興味深いですね。
文庫版の方には「いかにして私は心配するのを止めて山下達郎の音楽を愛するようになったか」で引用されたコマ(「あしたのために」より)があったり、コント赤信号(!)の渡辺正行さんと小宮孝泰さんととり・みきさんの接点が書かれていたりします。
ちなみに水道橋博士が名付け親の後輩コンビはドルフィンソングという名前で、博士は最近ある案件で「水道橋博士の世界党」(!)という屋号を名乗ることになったことを付け加えておきます。
とり・みきさんには他にも素晴らしい作品や漫画家さんとの対談集もありますから、いつか紹介したいなと考えています(「愛のさかあがり」を入手してからの話になると思います)。
明日、また読書日記をやって、「隠れ名曲、名演コレクション」をやれたらと考えております。お楽しみに。
ではまたー。