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小説は他者の孤独を覗くツールのひとつかも。
わたしには高校生の弟がいて、その弟が小説に目覚めました。
すごい勢いでいろんな小説を読んでいます。
全く本を読まない子だったのに。
弟が積読本や読了本を紹介してくれるのですが、わたしが読んでみたかった本が半分くらいあって。
どうやらわたしたちは本の趣味が合うみたいです。
わたしは本の貸し借りができるような友達が欲しかったんですけど、それは現実的じゃないな〜と諦めていたんです。
一重に本好きと言ってもいろんな人がいるじゃないですか。
とにかくミステリが好き!
とにかくSF!
ビジネス書一択!
雑食です!
東野圭吾追いかけてます!
趣味が読書でも、読書の趣味があるわけです。
それにわたし、人にオススメされたものをどうしても避けたくなっちゃう時があって…。
だから諦めていたのに、まさか弟と本を貸し借りできる日が来るなんて!
弟なら「これはいらんわ〜」とか言いやすいし、貸し借りもしやすいし、いい本友達になれそうです。
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早速、『時給三〇〇円の死神』を読みました。
弟が友達に借りて、小説にハマったきっかけなのだそう。
主人公の男子高校生がクラス一番の美少女から、死神のバイトに誘われてはじまります。
最初は、友達のいない主人公が高嶺の花と秘密を共有することに少年心やロマンをくすぐられるのかしら〜?なんて思いながら読んでいました。
読み進めていくと、我が家の家庭環境と重なる人物が何人か出てきて驚きました。
「俺の幸せは長く続かない」という主人公の気持ちもわたしが抱えていたものでした。
いったい弟はどんな気持ちでこれを読んでいたんだろう…と切ない気持ちになります。
「機能不全家族」というワードがハッキリと登場したことにも驚き、かなり印象的でした。
有名ですが、太宰が残した言葉にこんなものがあります。
本を読まないということは、その人が孤独でないという証拠である
やはり本は相手の孤独の一部を覗けるツールのひとつなのかもしれません。