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エコノミークラス症候群の体験から学んだ、身体に聴く直感の大切さ
この記事では、エコノミークラス症候群と診断されたときの体験をもとに、身体に聴く直感の大切さについてお話します。
入稿直後にやってきた激痛
2023年1月26日。人生初の著作『イノベーション創出を実現する「アート思考」の技術』の原稿を印刷所に入稿しました。 その前の1ヶ月間は、原稿修正に追われてずっとデスクワークでした。 運動不足解消のため、夕方1時間程度は散歩をしていましたが。
入稿が終わってほっとした瞬間、左ふくらはぎが痛み始めました。 実はその前からも、左足がつった感じになることがありました。 激しい運動をしていたわけでもなかったので、もしかしたらエコノミークラス症候群かもしれないと思っていました。
長時間同じ姿勢で座り続けると、足の筋肉が動かないため、血液の流れが悪くなります。その結果、足の静脈に血栓ができることがあります。飛行機で長時間座り続けることにより発症するリスクが高いため、エコノミークラス症候群と呼ばれています。
受診科を決めるのは自分自身
痛みは耐えられなくなり、足も倍ぐらいに腫れてきました。 総合病院に行って整形外科を受診しましたが、「筋肉痛」と診断されました。 運動したわけでもないのに筋肉痛?
「エコノミークラス症候群の可能性はないですか?」と聞くと、
「それは内科で診てもらう必要があります」と言われました。
内科へ紹介されて血液検査と足のエコーを受けた結果、左足の静脈に15 cmも血栓があることが分かりました。 血液サラサラの薬を飲んで徐々に回復し、今は痛みを腫れもとれました。
総合病院では患者さん自身がどこの科を受診するか決める必要がありますが、それが難しい場合も多々あります。
将来的にはAIが問診票から最適な科をリコメンドしてくれるようになるかもしれません。
でもそれでもドクターの診断が自分の本当の状態と合わない可能性はゼロではありません。 自分自身で身体に聴き、自分の感覚や直感を信じることも大切です。
直感は創造性にも必要
身体に聴く直感は、病気のときだけでなく、日々の創造性においても重要です。人の内面に感じた「何か」に基づいて行動することは、創造的な思考を促進することができます。
たとえば、新しい製品やサービスを開発する際、従来の手法に縛られずに直感的にアイデアを発想することで、より革新的でユニークなアイデアが生まれることがあります。
アインシュタインやスティーブ・ジョブズは、直感で革新的なコンセプトを創ったと言われています。
寺田寅彦の『科学者と芸術家』には、直感についての記述があります。
古来第一流の科学者が大きな発見をし、すぐれた理論を立てているのは、多くは最初直感的にその結果を見透した後に、それに達する論理的な径路を組み立てたものである。純粋に解析的と考えられる数学の部門においてすら、実際の発展は偉大な数学者の直感に基づくことが多いと言われている。この直感は芸術家のいわゆるインスピレーションと類似のものであり、これに関する科学者の逸話なども少なくない。長い間考えていてどうしても解釈のつかなかった問題が、偶然の機会にほとんど電光のように一時にくまなくその究極を示現する。その光で一度目標を認めた後には、ただそれが誰にでも認め得るような論理的あるいは実験的な径路を開墾するまでである。
寺田寅彦はさらにこう続けます。
しかし、このような直感的な傑作は、科学者にとっては簡単に得られるものではありません。それを得るためには、絶え間ない忠実な努力が必要です。自然に近づき、事実の細部にこだわり続けなければなりません。普通の人が見逃すような微妙な現象に目を向け、まずその正確なスケッチを描くことが重要です。そうして一見つまらないような事象に没頭しているうちに、突然大きなアイデアが閃くこともあるでしょう。
つまり、直感は偶然生まれるものではなく、磨かなくてはならないということですね。
AIに直感の磨き方を聞いてみると様々な方法が出てきます。 経験や知識を増やすことや、即断即決することなどが挙げられますが、どうもそれだけでは物足りません。
私はもっと深いレベルで自分自身に問いかけて、宇宙の意志を感じ取れるようになれば、創造的な直感が発揮できるのではないかと思っています。
手なれたものには飛躍がない。
常に猛烈なシロウトとして、危険をおかし、直感に賭けてこそ、ひらめきが生まれるのだ。