見出し画像

青春の後ろ姿のその先46 〜妖怪の民俗学〜

 宮田登による入門書的な本です。井上円了に始まる広大な妖怪の世界をあちこちにスポットしながらガイドしてくれています。個人的には辻、境界と妖怪に関する章が示唆に富んでいてとても楽しかったです。丁寧に現代につなげているところが、本当に妖怪学というものを私たち一般の人たちに伝えたい情熱に溢れている感じがします。
 都会の中にふと生まれたポケットのような瞬間や空間、真昼でも薄暗い遠野などの田舎の伝統的な家屋の奥の間、昼と夜の境界、街と町の境界、至る所に妖怪の姿を幻視した人々の豊かな感性こそ、一番の不可思議だと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

mohikan_mods
サポートあってもなくてもがんばりますが、サポート頂けたらめちゃくちゃ嬉しいです。

この記事が参加している募集