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『天気の子』考察3 最後の晩餐解釈
ゴージャスな雰囲気のラブホテルに逃げ込んだ帆高、陽菜、凪はジャンクフードをこれでもかと大きくテーブルに広げて、食べる。
人柱として消滅すると悟った天気の巫女・陽菜は、これらのご馳走が『最後の晩餐』となった。まるで、翌日に十字架に処刑されることを知ったキリストのように…。
そのあと、ホテルに完備されたカラオケで秋元康の『恋するフォーチュンクッキー』や星野源『恋』が登場人物の彼らによって歌われる。(これに関しては別記事を参照)
陽菜の最後の覚悟、そして、消失。
この世から陽菜を亡くした帆高は、この世界に陽菜を復活させることを切に願う。たとえ、世界が狂っても良いと言い切る。そして、陽菜は帆高の導きの元で、この世への再臨を果たす。そして、龍の怒りによって、東京を海の底に沈める。
陽菜が再臨した者と敢えて捉えるならば、自然や社会を破壊し、審判を行い、そして新たな秩序を形成する。
さて、前作の『君の名は。』で、世の理に背き、歴史を修正した瀧くんや三葉ちゃんたちは、陽菜の再臨によって、どのような扱いを受けるのだろうか。新たな秩序が、糸守の彗星落下事故の改変に対して、至福と捉えるか、それとも、罰と捉えるか、それによって立花瀧と宮水三葉の行方は決まることとなるだろう。
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続く