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月とウサギの民俗学

月のウサギはなぜ餅をつくのだろうか。


2018/08/26 14:37 ウェザーニュース 世界の月の模様と見立て

月のウサギはなぜ餅をつくのだろうか。

1.ウサギの模様をつくった原因

2.古代中国の世界観

3.西王母

4.日本で描かれたウサギ



ウサギの模様をつくった原因

2012年、月周回衛星「かぐや」の収集データから、月のウサギの形として捉えられている39億年以上前の巨大隕石の衝突によりできたプロセラム盆地であることを判明しました。

『月の表(左)と裏(右)。「月の二分性」は視覚的な違いからもわかる。』産業技術総合研究所

裏側の南方に見えている若干暗い領域は、南極エイトケン盆地と呼ばれ、太陽系全体でも最大級の衝突盆地である。表にある「雨の海」はおよそ38億年前の衝突によって形成された衝突盆地である。また、プロセラルム盆地についても衝突盆地だとする仮説がある。

国立研究開発法人産業技術総合研究所


古代中国の世界観

古代中国の中国湖南省長沙市(前漢時代前期)の貴族を埋葬した墓から発掘された絵があります。そこにかかれた月の中には、うさぎとガマ(かえる)が描かれています。この月に動物がいるという世界観が「月にウサギがいる」の元である可能性が高いでしょう。

西王母

 「西王母(せいおうぼ)」という、中国に住むと考えられていた女神がいました。
西王母は不老不死の薬をもつ女神とされ、漢代で特に信仰が活発でした。

1.中国の古代神話上の女神。西方の崑崙(こんろん)山に住み、山海経(せんがいきょう)では半人半獣、のちに美化されて描かれるようになった。不老長寿をもって知られ、周の穆王ぼくおうが西征途上に会い、また、漢の武帝不老不死の仙桃を授かったとされる。

2.謡曲。脇能物。西王母が周の穆王の所へ天下り、3000年に一度咲く桃の花と実を奉って祝いの舞をまう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 

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