『心理教育的援助サービス』とは?(学校心理士の立場から)
学校心理学についての勉強で学んだことを、
皆さんに少しでも還元できたら
という気持ちで、今回の記事を作成しました。
学校心理士は、スクールカウンセラーや教育相談担当教員など、心理に関する専門的力量を活かしながら、全ての児童生徒やその家族、教員を対象に、学習面、心理・社会面、健康面、進路面に関する心理教育的援助サービスを実施します。
心理教育的援助サービスについて、以下の文献を参考にしながら詳しく解説していきます。
【参考文献】
3段階の心理教育的援助サービス
心理教育的援助サービスは、全ての児童生徒を対象とするが、便宜上以下のような3段階に分けて整理することができます。
一次的援助サービス
全ての子どもを対象に行う、発達促進的な援助サービスです。
発達促進的な援助は、子どもが発達する人間として、また、学校生活を送る児童生徒として、課題に取り組むための力を高めることを目指します。
さらに、
多くの子どもが共通してもつ課題
(入学時の適応、対人関係、ストレスマネジメントなど)に対して
事前に準備的な援助(オリエンテーション)
を行うことが重要とされています。
二次的援助サービス
登校しぶり、学習意欲の低下、学級での孤立など、学校生活の苦戦が始まったり、転校生など問題をもつ危険性の高い子どもに対する援助サービスです。
子どもの問題状況を早期に発見し、問題状況のアセスメントを行いながらの適時の援助であり、予防的な援助サービスを実施します。
〈例〉
・児童生徒へのカウンセリング
・保護者へのカウンセリング
・担任教員や保護者とのコンサルテーション
・QUやSOSチェックリストを活用したアセスメント
三次的援助サービス
不登校、LD、ADHDなどの発達障害、いじめ、非行などの問題状況により、特別な援助を個別に提供する必要のある特定の子どもへの援助サービスです。
〈例〉
・子どもに関わるヘルパーで援助チームを設立
・アセスメント
・子どもへのカウンセリング
・コンサルテーション
・コーディネーション
・個別の指導計画などの作成 など
3層のシステム
学校心理学では、
「子どもがトータルとしてどのような援助を受けているか」
ということに焦点を当てます。
心理教育的援助サービスを効果的に実施するために、
以下のような3層のシステムが機能することが重要です。
一人ひとりのための「個別の援助チーム」
子どもの学校生活での苦戦に気づいた
・担任教師
・養護教諭
・特別支援教育コーディネーター
・保護者
などの呼びかけて「個別の援助チーム」を立ち上げます
「個別の援助チーム」は
・担任
・保護者
・コーディネーターの役割を担うもの
(スクールカウンセラー、教育相談担当、特別支援教育コーディネータなど)
「個別の援助チーム」は
① アセスメント(自助資源・援助資源の確認など)
② 援助方針の決定
③ 援助案の作成
④ 役割分担
⑤ 期限の明確化
などについて、相互コンサルテーションを行い①〜⑤についての評価をしながら子どもへの援助をタイムリーに行うことが重要です。
学校・地域レベルの「コーディネーション委員会」
学校全体での心理教育的援助サービスのコーディネーションを行います。
〈例〉
・校内支援委員会
・教育相談部会
・生徒指導部会 など
コーディネーション委員会の目的
① 不登校や発達障害などにより苦戦している子どもへの援助サービス
に関して、学校レベルで検討すること
② 心理教育的援助サービスにおける課題の検討
コーディネーション委員会の4機能
① 相互コンサルテーション
② 学年、学校レベルの連絡・調整
③ 個別のチーム援助の促進
④ マネジメントの促進
学校経営を支える「マネジメント委員会」
学校教育全体のシステムを支え、
学校教育に関する意思決定(教育課程、目標、予算、人的配置など)
を行います
学校の子供達の学校生活の状況や援助ニーズを把握
↓
学校自体がもつ資源(設備環境、教員の力、地域の力など)の明確化
↓
教育目標や学校行事などについの検討
〈例〉
・運営委員会
・企画委員会
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
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【参考文献】
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