鷲仙そらまめ
~4000字の短い小説をまとめています。
4000字~ の短編小説をまとめています。
初めまして、こんにちは。鷲仙そらまめと申します。『そらまめ』と覚えてくださいませ。 「自己紹介書かなきゃなぁ」とずっと思っていたのですが、どうも自分のことをどう書けばいいか分からずずっと悩んでおりました。困った私は色々調べてみたのですが「偏愛マップ」というものに行き当たりました。 なるほど、こんなものがあるのか!と感動しました。自由に好きなことを書く。形式はなく、それすら『自由』だと。これなら私でもかけそうだなと思い、これを自己紹介替わりにしようと思います。 書き
第十回文学フリマ大阪参加します! ブース:E-13 出店名:そら豆 webカタログ:https://c.bunfree.net/c/osaka10/!/E/13 試し読み:https://note.com/sora_mame_j/n/nae8d1342b347 当日はよろしくお願いいたします!
腹が満たされて少し眠たくなる昼下がり。同僚といつものように街の見回りをしていた私は町外れの教会で黒い影が見えたような気がして立ち止まる。 「ん……?」 「ベル、どうかしたのか?」 「あぁ、いや、大したことはないんだけど。黒い影が見えたような気がして……」 私が教会の方を指さしながらそう言うと、同僚は納得したようにうなずいた。 「あぁ、お前も見たのか」 「『お前も』?」 「そうそう。先輩たちが話してたんだ、『教会近くで黒い影を見かける』って。廃教会の近くを歩いていると黒い影が
いざ小説を書こうとアプリやメモ帳を開くも、真っ白な画面を前に「何を……どう書き始めたらいいの……?」となることはありませんか? 私はあります。萌えを形にしたい!と色々頭で考えて、いざメモ帳を開いたけれど一文字も書けませんでした。初めてとはそんなものです。 なお、これは「同人小説」ひいては「二次創作小説」の書き方です。 山なし、オチなし、意味なし。書きたい場面だけ書く方法です。ご注意ください。 では、私がどうやって書いているのか、実際に例を出しつつ説明していこうと思います。
薄明かりの下、暗い夜道を歩く。普段から機嫌がいいわけじゃねぇが、今日は特別腹の虫の居所が悪かった。 「……ぁ゛?」 だからだろうか、いつもなら無視する人の声が嫌に耳についた。 女の声だ。か細くて、風にでもかき消されそうな程小さくて、それでいて妙に切羽詰まったような声だった。 「――――。」 もしかすると聞き間違いかもしれない。無駄に疲れるだけだと分かっている。だが何故か無視することが出来なくて、俺は声が聞こえた方へ――住宅街の外れへと向かった。 切れかけた街灯が照らす
バイトが終わり、店の外に出ると外は真っ暗になっていた。いつもなら日がある内に終わるんだけど、今日は人手が足りなくて遅くまで残ることになってしまったのだ。……その分バイト代が増えるからいいんだけど、この真っ暗な中を歩いていくのは精神的にキツイものがある。 「やだなぁ、暗いなぁ……」 カバンを抱えてそろそろと歩く。ふと顔をあげると、赤ちょうちんが並ぶ路地裏が見えた。煌々と輝く提灯が闇を退け、行き交う人達はどこか楽しげだ。 「(飲み屋街……だったかな。ここを抜ければ近道にはなるん
のどかな風景が広がる片田舎。田舎と呼ぶには人工物が多く、都会と呼ぶには田畑が多い。なんとも中途半端なところが俺の今住む街だった。 もともと都会っ子の俺がこの街に引っ越したのは、祖父母の残した家を引き継ぐためだ。両親は足腰が悪いので庭付きのあの広い家を管理するのは難しい。かと言って売るには思い出がつまりすぎていたので、両親としては手放すことが出来なかったらしい。ちなみに祖父母はすでに他界している。 そんなわけで、孫の中でも比較的暇人の俺に白羽の矢が立ったというわけだ。別に俺
道場で木刀を振る。腕を上げ、体を使い、上から下へ無心で振り抜く。何度も何度も繰り返す。切っ先はブレることなく同じ軌道をなぞる。……もう何年もやってきたことだ。振れば振るほど体は撓い、刀は鋭さを増していく。研ぎ澄まされる体とは裏腹に、俺の心はどんどん擦り切れていく。 「は、ぁ……」 集中が切れた。構えを解いてその場にしゃがみ込む。……分かってる、集中できないのは瞼の裏に張り付いたあの笑顔のせいだって。 彼女と合ったのはひと月ほど前だ。古い知り合いの娘だ、と紹介された彼女は俺
私は小さい頃、変なものを見たことがある。……変なものって言われても困るかもしれないけど、そうとしか言いようのないものだったからしょうがない。 小さい頃にお母さんに連れられて神社に行ったときのこと。神社の奥の方……木が生えている場所が妙に暗くなっていた。木の下だから暗いのかなと思ったんだけど、他の場所はそこまで暗くない。あそこだけ、あの場所だけが真っ暗だった。 どうしてか気になった私は真っ暗な場所をじっと見つめた。見つめていると、ざわざわ、と何かが蠢くようなものが見えた。真
「ねぇねぇ、知ってる?」 短い昼休憩の間に少しでも疲れを取るため腕を枕にして眠っていた私は、どこからか聞こえる甲高い声で目が覚めてしまった。重い頭をゆっくりと起こせば若い女性が二人、手作りだろう弁当を突きながら楽しげに話している。どこの部署の人だろう……まずうちの部署ではない。うちの人間なら全員の顔はわかるし、何より数えるほどしかいないので知らない人どころか記憶が怪しい人もいない。 若い二人はまわりを気にした様子もなく、よく通る声が人の少なくなった食堂に響いていた。 「最
空が黒い幕で覆われ、重苦しい夜がやって来た。俺は静かに建物から外に出て、薄暗い路地を足音を立てず静かに進んでいく。相変わらずこの辺りは埃っぽい。マントを口元まで引き上げる。 しばらくすると暗い世界にぼうっと明かりが灯る。退廃的で官能的な赤い光が辺りを照らし出す。その明かりに導かれるように進めば大通りに出る。 大通りにはガラス張りのショーウィンドウがずらりと並んでいた。光はそのショーウィンドウから漏れ出ている。ガラスの向こうでは肌を見せた女性たちが誘うように踊っている。女性
気がつくと、俺は冷たい地面に横たわっていた。 「…………?」 あたりを見回す。視界に入るのは木と下草と薄暗い明かりだけ。他にめぼしいものはない。どこからどう見ても緑の深い森の中だ。 首を傾げる。確か夜遅くまで仕事をして、家に帰るなりすぐ寝たはずだ。連日の残業で体が限界を迎えていたのだろう、殆ど気絶するように眠ったことを覚えている。……そう、家で寝たはずだ。こんな森の中で行き倒れた記憶はない。 それに、なんだか体中がだるくて仕方がない。たしかに疲れているとは言えこんなに
『王家の森の近くで魔物が出没した』と報告があったのは数日前だ。師団長から「行って来い」と言われたのが昨日。本来ならもう少し下準備や調査などをするんだが出没した場所が場所だけに、すぐに動ける俺たち第三部隊が出ることになった。 「隊長、ハックルが魔狼を見つけたようだ」 「そうか……では、速やかに殲滅するように」 「りょーかいです」 男はヘラリと笑い、周りに指示を出しつつ森の奥へと消えた。……アイツはいつもヘラヘラしているが仕事は出来る男だ、任せて問題ないだろう。 「(魔狼程度な
こんにちは、そらまめと申します。趣味で小説を書いているものです。 この度、9/25(日)にOMMビルで開催される文学フリマ大阪に出店させていただきます。 初めての事だらけで緊張しておりますが、新刊を落とさないように気をつけます……本当に怖い……。 以下、ブース情報と新刊情報です ブース情報 新刊情報 少しでもご興味のある方は、ぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。 QR決済システム「CirclePAY」導入 また、今回は「CirclePAY」を導入することにしまし
ある街に、不思議な噂があった。 街の郊外には大きくて古びた洋館があった。いつからあるのか、誰が住んでいるのか、何も分からない不思議な洋館。その洋館には金銀財宝が山のようにあるという。財宝の噂を聞いて多くのハンターが洋館へと向かったが誰一人として帰ってこなかった。その洋館には恐ろしい魔物が住んでいるとも、死んだ館の主の呪いだとも言われている。 ……確かなことは、噂の洋館は存在し、その洋館から帰ってきた人は誰もいないということ――。 *** その日、俺はいつものように道場
9月25日(日)第十回文学フリマ大阪に参加します。 現在執筆中、最終確認しております。新刊落とすことはないと思います……不備がなければ……。 人外青年と純真少女の異世界ファンタジーです。ご興味お有りの方はぜひお立ち寄りくださいませ。 https://c.bunfree.net/c/osaka10/!/E/13