BtoBマーケティングにおけるnoteの活用法と受注まで繋げる秘訣を徹底解説
以前他のnoteでもお話ししたが、私は広告費ゼロで自社のマーケティングを行なっている。
しかもリード獲得の大半が社員のnoteや会社の公式note(pro)経由である。
そして、先日もnote経由で受注した。
おそらく、noteで大量のリードを獲得し、コンスタントに受注に繋げている企業は、日本に弊社くらいしかいないだろう。
実際私自身、今年に入って100本以上のnoteを書いているので、note×BtoBマーケティングに関してかなり知見は溜まっている。
では、なぜ私がわざわざnoteを活用してマーケティングを行なっているのか、そしてどうすれば質の高い受注に繋げられるのかを解説していきたい。
(※ちなみに、私はnoteの回し者では全くない)
あえてnoteを活用する10の理由
ここでは、noteを活用する理由、およびメリットを伝えていきたい。
正直私は知名度のないスタートアップはオウンドメディアよりnoteを使った方がマシだと思う。それは以下の理由だ。
①リーチできる幅が広い:無関心層にリーチできる
一般的にマーケティングファネルを見ると、このような形であり、オウンドメディアの場合、自社のことを「知っている」あるいは興味関心のある人はサイトに訪問する。
しかしnoteの場合SNS(主にTwitter)で流れてくるケースが多く、全くその会社や著者のことを知らない状態でも、惹きのあるタイトルやアイキャッチにつられnoteにリーチすることがあるのだ。
(だから、私はアイキャッチとタイトルが命だよと常日頃言っているのだ)
しかし、オウンドメディアと違って比較/検討はしづらいといったデメリットも媒体特性上あるものの、noteの活用次第ではいくらでもカバーはできる。
②ユーザーの日常にとけ込める(ユーザーがいちいちリサーチしなくても済む)
世の中真面目にリサーチする人より、SNSでなんとなく情報を拾っている人の方が多いだろう。実際検索より、Twitterを開いている時間の方が多くないだろうか?
人は無意識にTwitterに触れるが、検索は意識的に目的を持って行うもの。
わざわざ検索してくるユーザーの方が意欲は高いかもしれない。しかし、ユーザーと接触ができなければ弱小スタートアップとしては痛手だ。そのため、少しでもリーチしやすいSNSと絡めやすいnoteを活用している。
ユーザーはわざわざ自分からリサーチしなくても、勝手にTwitter経由で良質な記事に出会える。ユーザーにとってはとても楽な情報収集が可能となるのだ。
③SNSでシェアされやすい
よくブロガーが記事をTwitterに投下してはいるものの、拡散&シェアがされにくいのを見たことないだろうか?
仮にされたとしても、そこから1to1のコミュニケーションはほとんど生まれないし、noteと比べて、わざわざシェアする必要がない。しかし、noteの場合SNSでもシェアされやすい設計で、多くのユーザーがTwitterでシェアすることにも慣れている。これはnote社の尽力のおかげだろう。
【noteを読んでよかったら、Twitterでシェアする】この流れが自然に可能なのだ。
④メンションですぐ反響がわかる(エゴサが楽)
マーケターにとって面倒な仕事の一つがいわゆる『エゴサ』。記事がどれくら反響あって、ユーザーがどう思ったのかリサーチすること。
オウンドメディアの記事の場合、追いかけが面倒だ。
しかしnoteの場合はTwitterと連携しているため、Twitter上でシェアされた場合、メンションが仕込まれ、クリエイター(著者)に通知がいくのだ。
そのためどれくらい反響があったのかをいちいち調べなくても、noteの場合メンションがついたりすることによって反響がわかりやすいのだ。
マーケターに優しい媒体である。
(ここでも言っておくが、私はnoteの回し者ではない。)
⑤『中の人』がわかる+ユーザー体験向上
noteの場合誰が書いてるのかが分かり、またメンションがつくことによってユーザーと書き手が繋がることができる。特に弊社の場合noteをシェアしてくださった方には、必ずいいねとリツイートまたはコメントをつけるようにしている。そうすることで記事だけの接触に止まらず、著者と直接コミュニケーションをとることができ、ユーザーとのタッチポイントを沢山増やしその人の思考占有率を自社で高めることができる。(ザイオンス効果のことだ)
そして、コンテンツの著者とコミュニケーションが取れるというのは、ある人によっては非日常であり、喜ばしい。ユーザーにとっても「あ、シェアしてよかった!」と思えるのだ。読んで満足したと思いきや、その後のコミュニケーションも楽しい…ユーザー体験の向上だろう。
⑥ネタ切れがない
上記のような内容から Twitter でシェアされた場合ユーザーの温度感であったり意見がすぐさま分かりやすい。人気のあったコンテンツはシリーズ化/細分化したり、切り口を変えて新たなネタ作りやコンテンツ制作のヒントとなる。マーケターの多くがネタに悩むが、弊社の場合リアルの声を日々拾っているのでネタ切れすることがほとんどない。
そして、たまにTwitter上でアンケートも実施する。
例)次のnoteなにがいいですか??
といった具合だ。もう、ユーザーに聞くのが手っ取り早い。
⑦noteはSEOに強い
ありがたいことにnote社はSEOにも力を入れてくれている。
弊社の場合はnoteよりもWantedlyの方を先に始めたにもかかわらず、
検索すると、
①自社サイト
②note
③Wantedly
と2番目に出てくるのが自社のnoteである。
それほど、noteはSEOに強化してくれているし、多くの記事で検索1位を獲得できている。
Twitter上の拡散でPV数も伸びるし、コンテンツの質が認められれば、SEOも向上する……最高だ。
⑧即効性がある
一般的にオウンドメディアの成果が出るのは短くて3ヶ月から半年と言われている。
しかしnoteの場合、もちろん中長期的にSEO観点からコンテンツをブラッシュアップしていく必要はあるものの、SNSでバズれば一発でリードを大量に獲得することができる。朝6時に起きて書いたnoteが数時間後にはバンバンリードを取ってくれる優良コンテンツとなるのだ。
⑨自社のファンが増えやすい
弊社がコンテンツ制作の中で大事にしていることが2つ。読後感と自社らしさ。そのため弊社のミッション/ビジョン/バリューをコンテンツの中に染み込ませ、記事を読んだ方はある程度弊社の考え方に共感してくださっている。「HeaRさんって愛のある採用してますよね」、「ユニークでCX高いですよね!」と言って頂ける。コンテンツの中で弊社の考えを伝え、後追いでSNSでもコミュニケーションをとって弊社メンバーがCXを提供する。
よって、noteのリピーターに限らず、弊社の場合、ファンが多くウェビナーのリピーターも多い。いくつかのチャネルを融合させCX(Customer Experience)を徹底することで、結果的に自社のファンにも繋がるのだ。
「Twitterだけである程度ファンは作れるのでは?」と思われるかもしれないが、140文字で自社の良さや業界の最新の情報をスマートに伝えることは難しい。だからnoteを通してユーザーに有益な情報を届ける必要があるのだ。一つでも多くのチャネルをもち、全てのタッチポイントでCXを極める。
これがHeaRのBtoB版ファンベースマーケティングの一部に当たる。
⑩共感型成約が可能
⑨の流れに続くが、記事を読んだ方は、ある程度弊社の考え方に共感してくださっている。「HeaRさんみたいな採用がしたいので…」「一緒に会社の認知度をあげて、青春しましょう!」といった感じで、HeaRだからこそ任せたい!といった感じで受注することが多い。
単純に受注するより、弊社への理解が深まっている状態なので、お互い良い意味でとけ込みやすく、そのあとの導入もスムーズだ。
……ここまで10個のメリットはわかったはず。
そろそろ、成果がでる具体的な運用方法を知りたい頃だろう。
ここからは、BtoBマーケティングでnoteを活用する際に大事なポイントを紹介していく。
BtoBマーケティング×note運用で大事な9のポイント
①Twitterを極める
たとえ良いnoteを書いたとしても、拡散力がないとnoteは広まらない。ハッシュタグや検索によって一定数に読んでもらうことは可能ではあるものの、それを拡散するための土台が重要である。実際同じnoteでフォロワー1000人くらいの時にTwitterでシェアした時よりも8000人の時の方がnoteの中に仕込んであるCTAからのDL数が9倍になった(昨日実証した)。
そのため、noteの運用と同時にTwitterの活発的な運用も欠かせない。
弊社は10名以下の会社だが、全員のフォロワーを合計すると3万人近い。名もないスタートアップでも頑張ればこのくらいはいくのだ。Twitterも真剣に運用しよう。
②プレスリリースを併用する
noteを出してTwitterで拡散するだけでは飽きられたり、反応が弱い時がある。そのためプレスリリースで自社の見解を述べたりする際に参考資料として弊社はnoteを添付したりしている。拡散させる媒体はTwitterだけでなくても良い。プレスリリースとうまく組み合わせながら、noteに飛んでもらいnote内で回遊させる方法もある。
③メディアとのリレーションを強化する
弊社ではプレスリリースやnoteを過去に転載してくれた、企業/メディアと定期的に連絡を取り、時折掲載依頼をすることもある。
そうすることで、自社ではなかなかリーチできない層のリードを獲得することができる。直近2週間以内に、とあるメディアに掲載してもらったところ普段よりもダウンロード数が4倍に増加したこともあった。担当者と連絡を取る一手間はかかるものの、掲載してもらえるように掛け合うことでリードの数やリーチ層は変わってる。
④記事の細かいチェックは不要。スピード感を重視
弊社の場合noteに関しては、著者以外が編集や校正を行うことはほとんどない。基本的に著者に全てお任せしている。(例外として、他社とのコラボ記事やインタビュー記事だけは確認する)
これは、スピード感を重視しているからである。もちろん誤字脱字のなくて、完璧なコンテンツを出すことも大事ではあるが、まずは量とスピードが大事だ。記事の方向性とある程度の質が担保できているのであれば、細かいチェックなどはいらない。細かいチェックをするくらいなら、1本でも多くのコンテンツを書くかリライトする。それが私のスタイルだ。社内でお互い干渉しすぎないのがスピード感の向上につながり、結果最後まで著者が責任感を持って楽しくコンテンツを書けるのが長続きと成果の秘訣である。
要は、『完璧を求めすぎない』ということ。
⑤初速が肝心
弊社がnoteに注力し始めたのが、今年1月。面白いことに、最初の10日間で成果が出るようになった。毎日noteを投稿することで「この会社なんかすごいぞ」という雰囲気がTwitter上で出来上がっていた(当時フォロワー800人くらい)
毎日目に触れると、人間意識してしまうものだ。初速でがっつりコンテンツをコンスタントに出すことが、その後の流れも加速させる。
⑥全社を巻き込む
マーケターだけがnoteを書く必要はない。弊社の場合はカスタマーサクセスにも書いてもらっている。それは現場に出ているメンバーだからこそ言えることであったりカスタマーサクセスだからこそ信頼されてリードにつながると考えたからである。一人がコツコツと出すよりは全社で出した方が色んなメンバーの個性を味わえるし、コンテンツの深みが出てくる。それがユーザーにとってまた新たな楽しみとなる。
⑦個人アカウントと企業アカウントの両方走らせる
弊社の場合は個人アカウントと企業アカウントの両方同時に走らせている。「どのアカウントからnote出そうが変わらないでしょ」と思われがちだが大きな間違いだ。企業の公式アカウントばかりから情報発信すると飽きや、個人ならではの考え方や個性が伝わりづらい。そのため、誰が書いているのかを冒頭で書くだけでなく、企業のアカウントと個人のアカウントの2つがある場合は片方に偏りが出ないようにすることがおすすめ。
実際自社から出るnoteと私が個人で出すnote書いている人は全く同じ人なのに、拡散は個人の方がされやすい印象。なので、ネタによって使い分けをお勧めする。たとえば個人的見解が多いnoteの場合は、個人アカウントで。
会社全体的な思想が込められているのであれば、会社のアカウントでもOK。
ただ、ここで一つアドバイスしたいことは、
「焦って企業アカウントを運用する必要はない」ということ。
オウンドメディアと違ってnoteは誰が書いているのかが重要になる。
会社よりも個人の方が個性もあってとっつきやすい。まずは、個人noteからはじめてみよう。
⑧読後感を設定
記事のペルソナを設定をした後にどういった構成で記事を書くのかを考えるのは基本だろう。しかし弊社の場合、前述した通り『読後感』というものをとても大事にしている。読後感というのは記事を読み終わったあとにどう思って欲しいか。もちろん弊社としては、資料をダウンロードしてほしい気持ちもあるが、「この記事読んでよかったな」と思わせたい。あるいはこの記事を読んで自社のことをもっと好きになってもらいたい。そこがゴールであるのでダウンロードも重要ではあるものの、自社のファンになれるか?といった視点からのコンテンツ発信が重要なのだ。
ありがたいことにこのような声もいただいている。
⑨SNSウケするコンテンツを発信しよう
ここで、『コンテンツは必ず飽きられる』というのは覚えておこう。そこで、SNSウケを狙ったコンテンツやインタビュー記事が、再燃の鍵となる。
たとえば、あるあるネタや、なにかの企画に乗っかってみるのもありだ。
過去にトライしたこちらの「しくじり」コンテンツは、Twitterでもかなりシェアされて反響もよかった。
時には面白いネタっぽさに走るのも良いだろう。
こちらが伝えたいことを記事にするのではなく、相手が喜ぶ情報を届けることがコンテンツマーケティングの基本である。
ここまでもかなりの情報を提供したつもりだが、リードを獲得できても、アポイントや受注に繋がらなければ正直意味がない。
そこで、ここからは弊社でアポ転換率や受注率が向上した方法をお伝えする。
受注に繋げるために大事な3つの要素
正直、意識したことはシンプルにCXの向上とザイオンス効果に尽きる。
①CX/UX
CXとは、「魅せる」というよりも、「見せる」の方が正しい。弊社のnoteはタイトルで期待値を上げたのに記事内で期待値を下げるような真似はしない。偽りで誇大的な宣伝は弊社では一切しないと決めている。実績ベースと体験ベースを大事にする。それをタイトルやnote内で散りばめていく。だから、ユーザーも読んでいて安心するし、「HeaRさんのコンテンツは安心して何度も読めます」とよく言われる。期待値コントロールをしつつ、記事内で誠実に丁寧にアウトプットをすることで自然とリードやお客さんは増えるもの。また、noteでリードを獲得した後のことのも重要だが、追いかけメールやインサイドセールスとの具体的なリレーションはまたいつかの機会にご紹介しよう。
②質の高いダウンロード資料
弊社では、1週間に何個もDLコンテンツを作っていた時期もあった。その際に比較的手軽なチェックリストみたいなライトな資料を仕込んでいたことがあった。しかし、薄っぺらいチェックリストはユーザーの満足度は低く、アポ転換率が低かった。そのため、ユーザーの満足度をあげられるWPやしっかりめのコンテンツにしたところ、アポ転換率が2~3倍になった。
数多くのリードを獲得することも大事ではあるが、その後のアポ転換や受注のことまでを考えると、しっかりめのコンテンツを用意しよう。
だからといって100ページ超えのWPを作る必要はないし、それらを分割版でリリースすることをオススメする。テーマごとに分けてコンテンツを分割していき、いろんなCTAを設計したほうが、テーマに興味を持った人には刺さりやすい。
③再訪問/回遊させる設計=ザイオンス効果
弊社では、資料をダウンロードして架電でアタックしても繋がらなかった方にお礼メールで2〜3記事チョイスして添付してお送りしている。そうすると、時間を置いてまた違う記事を読んでもらい興味が深まりアポイントに繋がったりすることが多い。また、noteのカテゴリやマガジンもうまく活用して、HeaR公式note上でメンバーのnoteも飛べるような設計となっている。会社の堅苦しいnoteよりも、個人の顔がわかるnoteに回遊させて色んな記事に触れてもらう。そうすることで、全社で発信しているすごそうな会社、良い会社というイメージがつく。
このイメージにより、数ヶ月後経過した後、お話が聞きたいと連絡をいただくケースもある。
その他にもあるが、またいつかお話ししよう…
商材とターゲットの親和性によっては、noteがめちゃくちゃヒットする可能性があるので、もしnoteを始めようとする方の参考になれば嬉しい。
さいごに
コンテンツマーケティングは広告費ゼロではあるものの、
『泥臭く行動すること』が求めらえる。
華麗なノウハウなど存在しない。
それでも実践したいのであれば、覚悟を決めてやりきろう。
>>>>>>>Let's GRIT!<<<<<<<
また、BtoBマーケティング×noteでお悩みの方がいれば、気軽にDMください!(個人やtoCは他にも記事あると思うので、そちらを読んでほしい)。