『いい子症候群の若者たち』へ
書籍『いい子症候群の若者たち』紹介。
Z世代社員のメンターとして、
社内研修センター勤務として、
若者の心理を理解したくて手に取った一冊。
本を読んだ一人の大人として、
どうしても若者たちに言いたい事がある。
社会に出ればヨコはいなくなる
これまでは、
同級生と差がつくこと、
浮いてしまうことを恐れ、
大勢の中の一人であろうと、
意見を言わず、競争を避けたきたかもしれない。
人前で褒められることさえイヤだったのだろう。
しかし、ひとたび社会に出れば、
今まで同列にいた友達もメンバーもいない。
先輩や上司のタテばかり。
一緒にゴールテープを切っても褒められず
一歩前に出ることを求めれる。
「いい子」でいた学生時代とは違う。
自分だけが利益を得ないように、
誰かが酷な決定をしなくて良いように、
みんなが等しく扱われるように、
そして自分が目立たないように、
ヨコの並びを大事にしてきた。
大人たちを満足させるために、
見えない感情を読み、
表面的に頑張る姿を演出し、
完成したテンプレートを読み上げてきた。
求めるのは、安定と普通の生活。
熱中する趣味はなく、将来の夢もない。
なにかを成し遂げる自信もない。
あるのは学歴と他者への配慮。
ただそれは君たちが、
大人の背中を見て育ったから
挑戦や変化が報酬につながらず、
チャレンジしても得られるものが無い社会
そんな夢も希望もない世界を見せつけられ育ったから。
「主体性」「実行力」が求められる社会
報酬もなくチャレンジしろと言われても、
今までやってない事を求められても、
責任が増える出世などしたくない、
リーダーなどやる意味も分からない。
"普通"に静かに暮らしたいだけなのに。
求めている大人だって挑戦してないのに。
社会の変化についていけてないのに。
口を開けば「行動しろ」と言うくせに、
失敗すれば立ち直れない大人。
「応援する」と言いながら、
何となく若者を矯正する大人。
そんな大人の言葉に従う意味はあるのか?
そんな大人たちから何を学ぶことがあるのか?
そんな大人たちも、
成長の名の下に矯正された人材。
夢の型を決められた民族。
「没個性と倹約」症候群。
彼らもまた社会が生み出した"若者"。
だから、大人は若者に何かを期待するほど偉くない。
そして、
社会は新たな"大人"を生み出そうしている
社会は時代ごとに新たな世代を作り出す。
大人たち世代を作り、君たち世代を作り上げようとしている。
例えば、誰かが"空気を読まない"事を言う、
"場の雰囲気"を読み取る君は反応してしまうかもしれない
居心地が悪く、心のざわつきが聞こえるかもしれない
その発言を笑って真に受けないようにするかもしれない
でもそれは、ありもしない誰かの気持ちに配慮して、
「出る杭を打とう」としているのでは?
異質を排除しようとしているのでは?
同調圧力を生んでいるのでは?
自分が”場の空気”を作っているのでは?
社会が求める人物像に染めれていないか?
時代の流行り病になっていないか?
ありもしない感情より、
大人の期待する若者像より、
自分の感情、自分の興味を大事にして欲しい。
だから、
学ぶものをわがままに選んで欲しい
何を知り、何を学ぶかは自分に忠実であって欲しい。
自ら選んだ学びだけが自己成長につながる。
自分を好きになりたいなら、興味に正直になって欲しい。
興味とは「知りたい」という気持ち
「知りたい」とは「好き」という気持ち
学校での勉強は強制された"学び"。
せいぜい選んだのは文系と理系ぐらい。
自分の内から来る純粋な興味に従って欲しい。
他者を無視して、自分の学びを選んで欲しい。
君たちの学びはこれから始まる。
そして私は一人の大人として
これからも挑戦する。
現役でい続ける。
一生学び続ける。
若者たちに見せる背中でありたい、
付いてきて欲しいわけじゃない、
真似して欲しいわけじゃない、
ただ先を歩く人でありたい。
いつも自分自身を最優先にして、
自分の幸せのために生きていきたい。
それは私が私自身にしてあげられなかった事。
そんな事を気づかせてくれたこの一冊。
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