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20241207「解ける糸」

解れた糸を
そっと抜き
手のひらに乗せて
ふっと息を吹く
軽く宙を舞って
そのまま落ちて来る
もう一度手のひらに乗せようと
手を差し伸べては
それが零れてしまって
その下まで降る
わたしのどこかは
既に在った気がしていたのに
それら自体が
わたしの分身
繋がれたものと繋がれなかったもの

静かになって
そのままを続け
しばらくしたら
また動き出す
停止している間は
何もしていないのに
まだ生きているのは
わたしではないわたしのこと
そんな変なことばっかりって
あなたは言うだろうけれど
わたしはそうだねって
きっと言うのだろう
どれもが縫い付けられ
付着したその時間を待って
緩やかに解けるままにしておく

だからと言って
何が在ると言うわけでもないが
静けさの間合いで
朽ち果てるまでも
もう既に次の場面を想定し
風に吹かれたら
どこそこへと移動するだろう
行く当ての帰着までの時間を抱え
少しずつ手放しつつ
何かを得ている
それがわたしだと言うのなら
そう言えばいい
自分ごとさへ知ってはいないのだから
嘸かし軽く飛んで行ってみて
再度呼吸を整えつつ千切っている

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snufkinsmile
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