20240303「もう、ゆーれい」

さっと拭いて
ふっと消えて
とっとと出て行って
もうそこにはいない
見えてるはずの
見えてないのだから
誰がどれで
どれが誰でも
いいのかもしれない
どこの誰だか
知らない知らないの
どこかで見覚えあるかも
でも見えないのだから
そんな気がしているだけ
穏やかになって
寂しくなって
顔を上げると
朗らかで
そんな誰かを探している

そもその
そんなゆーれいなんて
いないのだろけれど
それをそう言うのなら
何かがあるのだろう
要らないのなら
ないのだろうから
在ってしまうのは
誰かの必要で
押しても引いても
誰も見向きもしないけれど
そこはかとなく
あるようであったり
ないようであったり
わたしを通り抜け
あなたも通り過ぎ
あけすけな泣き笑いを
どっかでしているのだろう
遠くで噂してる耳を塞ぐ

通れないけれど
渡り道を辿って行けば
何かに出会してしまう
それを何と言ったらいいのか
どうもわからないのに
何だか身近であったり
よそよそしかったり
そこにいて
もうそこにはいない
そんな存在なのだから
せめてもの挨拶したり
話しをして
あれこれ混ぜ込もう
どうにも食い違うけれど
何だか通じてしまう
あなたの言い方喋り方
聞こえないのに
届いてしまうのは
もうゆーれいなのか