20241227「時間を送って」

時間を送って
その前を通り抜け
また新しい一歩を
踏んでいる
常に在るのに
前を向いて
これからを迎え
これまでを脱いでいる
そこに置いてあったのが
また踏みつけられて
後から来る誰かも
それを通り
別の仕方で踏んで行く
そろそろ時間だと思い
一旦止まっている

止められないのに
まだここにいて
ゆっくりとしているのに
急かされたような感覚を
再度向こうへ置いて
その間に呼吸を整えている
よくある話しだが
全部同じであることもないのだろう
それぞれの口調で
慌てて滑って転んでしまう
そんなこと在るのか
まだ見ていないものさえも
既視感を被りつつ
いつも違う光景を見ている
かわったのはわたしの方

冷たい空気を吸って
返す温度を加え
誰かのどこかで
循環を流し
熱の前後をうろうろしては
こことそこ
あっちとこっちで
受けわたされる
それぞれの瞬間
瞬きさえ必要なのだから
それらを加算しつつ
透明な物ごとをどうにかして
やりくりしている
よくある話しで
それ程気にしていない今の今