20240817「夏の払い」
夏を越して
一匙を充し
もう一度零す
溢れるくらいに
そして注ぎ
雨が降らずとも
雨が干上がるとも
給水しながら
喉を潤す
その誰かの願いが叶うのなら
いっそのこと追い越して
その山を登っては降る
起伏の途中で
一休みしながら
とは言いつつ
休んだ気にもなってはいないし
どこへ行ったのも既に憶えてはいない
熱の中をうろうろしては
日陰に潜る
影踏みの訓練
冷たい喉越し
数回水風呂に潜水して
ふやけた肌を浮上させる
溶けた氷で
風を廻す
冷ましたグラスを片手に
ぼんやりしつつ
次のことをどこかで考えている
藁しべを引っこ抜き
誰彼と交換しながら
血肉を滾らせ
そのひとときを
肌に焼き付ける
ひりひりした時間を過ごしている
さては幻
あるいは灯籠
行燈行列を辿りつつ
手を合わせながら
幸いと不幸せを撚って
強度を増している
千切れそうなくらいに
記憶の果てに
どこかで繋がると言うのなら
わたしのどこかを参照し
別の接続へと移項するのだろう
節目の音読で揺蕩う音頭で
周回を繰り返し
はてぐるぐる廻るその流れに入り
同じような仕草で
別々の熱に浮かれ
静々と解散するのだろう
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