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Photo by
pianoman3sasagu
20250216「ひとり静かに山へ」
ひとり静かに
山へ行く
誰もいないそこでは
まだ雪が残って
冷たいが
歩いているうちに
慣れていく
何を求めているのかは
わかってもいないけれど
どうしても行かなければと
わたしのどこかは
それを必要なのだと
思ってしまっている
どこへ行ってもいい
しかしそこが終わりではない
耳を澄ませ
風を読んで
感覚と体力を保ち
一歩ずつ進ませる
景色は穏やかにすれ違い
見るもの全てがわたし以外
前後がわからないくらいに
彷徨っているのだが
それはそれでいいのだと
そう思い込ませているが
のっそりと出会す
何ものかについては
全ての認知を開き
行動の熱を滾らせなければ
回避することもできないくらい
難を逃れたのは偶然だ
それ自体は本当なのか嘘なのか
複製し貼付けした
錯誤までも時間の倒置
白さの上滑りで
足を取られるが
白の深さで身動きも儘ならない
空は遠く暗闇もまた同様
それでいて心拍が速まり
血流は滾っている
反発し同調しその間を抜け
並行のまま降りて
1日を済ます
これでいいのだと
預けた時間をその他が知っている
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