20241021「網目の縫合」
森の栖を降ろし
平坦な土地に腰をおろす
下った先に
小さな庵を催す
樹を切って運び
もう一度それらを建てる
近くで育ったそれらで囲み
わたしの柱で迎えられる
地の星座を空に写し
瞬く小さなひかりを受けて
朧げな灯りを掌に載せる
守られているなら
それでもいい
わたしのどこかは
これまでも変わらないだろう
どこにいてもわたしの中に既に在る
時には川を下り
海へと出かけて
越えられない潮を眺めてみる
遠く近く
風が吹いて
寄せて帰る
また街に寄って
どこそこを訪ね
それはどうだか
これは何なのか
聴きながら話しながら
物ものを媒介に
わたしたちを統べる
どれもが交差し
その結節点を拾い
いつかに結び目を解く
関係性の網目の隙間で
右往左往しつつ
また戻ってくるのは
いつかの出来事
委ねられた身体の内に
構成されながら
壊れて行く循環の日々
それらの日常を成り立たせている
自然の極意
誰もが尊いが
それも嘘なのかもしれない
気にしなくともいいのに
どこかで拘り
どこかで躓く
もう一度転んだとしても
またわたしたちは歩けるだろうから
この記事が参加している募集
読んでくださってありがとうございます!サポートいただいた分は、noteの他のクリエーターのサポートに使わせていただきます😁