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Photo by
lisa500ml
20250225「眼差しの起点」
与えられた瞬間と
疲労した瞬間を問い
無駄な1日と
確かな1日を
危なげでも強そうで
ささやかな賑わいと
誰にも言っていない
手紙の内容
知らされるのは
いつものように
後のことであって
巻き戻されないそれらを
合切に抱え
これからのあれこれを
結んで解く
はじめましてとさよならと
交わせなかった視線の束で
残像の細々を分解しては
再集合の諸々として
抽象の形を拵えている
どこかに在って
どこにもないくらいに
細密と放散のあいまに
流れ行く時計の針たち
刺されたのはいつどこで
与えたのはそもそもに
本当なのかそうでないのか
離合の振り向きで
視線が合いつつ
今ここで出会っている
後ろ歩きを見ながら
変化の兆候を支え
蔑ろにしたのは
わたしの方
あなたの方では
きっと上手く行くだろう
眼差しの起点を掘り起こし
揺らぎつつ核心に戻ろうとしたら
地の根を伸ばし
血の音を揺るがす
熱量の裁断を混ぜては
からっきしの欠片を手にして
わたしたちの個々を
再度許しておこう
すぐに現れすぐに見失うのだから
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