20240818「即身分身」
おいそと漕いで
促進させる櫂をやり
鈍な切先を研ぎ
その空気を推し進める
戻らない毎日だけども
過ごしている今だけは
きっと本当のこと
何をしているのか
どうもわかってはいないが
それでもきっと
どこかへ出るのだろう
見知らぬ誰かや
いつも見かける誰かの存在
誰もが新鮮
昨日とは違う私達のそれ
よくあることは三度として
振り向きざまに見送っている
どこかへ行きつつ
かつ戻っているのなら
何をしてもいいのだと
許しておいとけば
心も軽くなるのかもしれない
誘惑にかられ
どうでもいいようなTシャツを買ったり
冷たいものを口に入れたり
シュワっとする飲み物を放り込む
入れ物の身体をよじり
また後ろを見ている
遠くへの眼差しと
足元が見えないくらいに
遠近を前後させている
これまでを起耕して
これからを紡ぐ
今にそれらを落とし込んでいる
ふらり放ち
ぶらり円弧を描く
到達できない接点のずれ
それさえ許し
叶えられるくらいの問いを
裁断しつつ糊を捏ねる
塞がったように見えた
あれこれの猥雑さで
それもまた意味をなし
こぽこぽと黒い液体を濾す
待ち時間の間くらい一眠り
明くる朝を待てないくらいに
もう今を送っている
様子は見て取れる
だがしかし全部は無理だとしても
是っぽっちの涙を拭い
今日を漕ぎ出している
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