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テレビの裏側

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テレビ制作・テレビ宣伝の裏側・思い出を綴ります。
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#山田太一

「終りに見た街」の訴えた事の大切さ

「終りに見た街」の訴えた事の大切さ

テレビ朝日開局65周年ドラマプレミアム山田太一原作、宮藤官九郎脚本、大泉洋主演「終りに見た街」を観た後、僕は「SNS」を注意深く観察して、宮藤官九郎が「SNS」上での反応も込みで、このドラマを書いたのだろうと確信した。

「いつ戦争が起こっても不思議ではない今の日本」に対して、「警鐘」を鳴らした宮藤官九郎。

やはり、「不適切にもほどがある!」「新宿野戦病院」などで、「現代社会の問題点」を的確に訴

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ドラマ「終りに見た街」

ドラマ「終りに見た街」

初回ドラマ化の映像。
山田太一さんが自ら脚本を書き、細川俊之さんが主演している。

「エンディング」ははっきりと凄惨に描かれているのは、宮藤官九郎さんとは違って、山田太一さんらしい。

「ドラマ」の「ラストシーン」、主人公一家は空襲によって、現代へとタイムスリップして戻った。

しかし、東京は「第三次世界大戦」の「戦争中」で、東京の上空に「水爆」が落とされる。

壊滅した主人公一家の姿を描く事で、

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あんのこと

あんのこと

Amazonプライムビデオで映画「あんのこと」を観た。

今年、2024年公開の映画なのに、会費500円少々払っていれば無料で観られる。

ちょっと得した気分だ。

この文章は「以下」に「ネタバレ」があります。

「あんのこと」、「あん」という女の子を演じる主演の河合優実が相変わらず素晴らしい。

この役は他の誰にも演じられないだろう。

「売春」や「覚醒剤」に明け暮れ、家では「実の母親」から「D

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同意社会

同意社会

「斎藤元彦兵庫県知事」の「パワハラ疑惑」が「百条委員会」で議論されている。

もちろん、「斎藤元彦兵庫県知事」も喚問されて。

しかし、「斎藤知事」は「誰が聴いても普通はあり得ない異常な答弁」を繰り返して、「辞任」を拒否し続けている。

「元・局長」が「自殺」したという「事実」があるにも関わらず。

「自民党」は現在「総裁選」のゴタゴタでそれどころでは無い様だが、まだ首相は岸田文雄。

「テレビ局

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ドラマ「終りに見た街」

ドラマ「終りに見た街」

テレビ朝日開局65周年記念スペシャルドラマ「終りに見た街」の「追加キャスト」が発表された。

神木

山田太一さんが日本に遺した「優しさ」

山田太一さんが日本に遺した「優しさ」

脚本家・山田太一さんが亡くなられてから、山田太一さんの本を読み漁り、ドラマを観続けている。

山田太一さんが描いて来た「日本人の優しさ」「日本人の原風景」を今こそ、「日本人」は大切にしなければいけないのではないだろうか❓

ほとんど、全ての事が「儲ける」という「動詞」に象徴されている「現在の日本社会」。

その先には「幸福」は無いだろう。

その事に、みんな早く気付いて欲しい。

ただ、それだけを

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終りに見た街

終りに見た街

山田太一の小説「終りに見た街」の3度目の「テレビドラマ化」がテレビ朝日から発表された。

主演は「大泉洋」、脚本は「宮藤官九郎」。

最高の布陣だと思う。

この小説は過去2回、テレビドラマになっていて、1度目の主演は「細川俊之」。2度目は「中井貴一」。

終りに見た街 (小学館文庫 や 22-3)amzn.asia607円

大好きな脚本家

木下惠介、山田太一、遊川和彦、橋本忍、山田洋次、I・A・L ダイアモンド、ビリー・ワイルダー、メル・ブルックス、倉本聰、コリン・ビギンズ、ポール・ハギス、アラン・パーカー、足立紳、黒土三男、手塚治虫、秋田佐知子、向田邦子、生方美久、渡辺あや、笠原和夫、三谷幸喜、和田誠、黒澤明、市東さやか、坂元裕二、伴一彦、野島伸司、鎌田敏夫

「シナリオ」が読みたい‼️

ドラマの「シナリオ」が本になる時、小説の形を取って、「ノベライズ」される事がほとんどだ。

僕は山田太一のドラマが大好きで、「ドラマのプロデューサー」を志した。

今はそのほとんどが絶版の「山田太一シナリオ全集」をほとんど全て持っている。

倉本聰さんも「北の国からシリーズ」のシナリオを全て集めた。

そして、僕がいちばん敬愛する素敵な台詞を書き続けた向田邦子さんの、新潮文庫から出ているシナリオも

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山田太一さんのシナリオ

山田太一さんのシナリオ

老後の楽しみです。
山田太一さんのシナリオ集の数々。

もうほとんど絶版になったものばかり。

たとえあなたを忘れても

今日、ドラマ「たとえあなたを忘れても」の最終回を観た。

浅野妙子の脚本が素晴らしすぎる。音楽も身体に沁み渡って来るし、大谷健太郎の演出も優しい。

主演の堀田真由、萩原利久、畑芽育、風間俊介、岡田結実、みんな良い。

ドラマって、「キャラクター」がしっかり書けていれば、その「キャラクター」が自然と動き出し、「キャラクター達」が「新鮮な台詞」を紡ぎ出す。

ユニークな「キャラクター達」が思いもしな

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山田太一と「弱者の反抗」

脚本家・山田太一がテレビドラマに遺した大きなもの。

山田太一の師匠である映画監督・木下惠介は「二十四の瞳」始め、様々な映画で「堪え忍ぶ弱者」を描いた。

「二十四の瞳」。高峰秀子演じる小豆島の分校の女教師・大石先生は、太平洋戦争に巻き込まれていく「自分の教え子達」に懸命に寄り添った。

自分達ではどうしようもない「戦争」という事象、「悲しすぎる運命に翻弄される教え子達」と共に泣いた。

黒澤明監

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「不適切にもほどがある」と「アイのない恋人たち」

「TVer」で、1996年の連続ドラマ「白線流し」を観て、心が洗われた。

酒井美紀の奇跡的な「可愛さ」が今でも僕たち視聴者の心を打つ。

それぞれの登場人物のキャラクターが「繊細に」描かれている。

今、放送中の連続ドラマ「アイのない恋人たち」。これが全く面白くない。

「30代の悩みを抱えた男女7人(アイが無い・love.I.eye)」が織りなす「普通の人々の生き様」を切り取ろうとしているのだ

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アイのない恋人たち

テレビドラマとはなんだろう?

「時代を映す鏡」の様なものだと、僕は思う。そこに、脚本家・作り手の「主義・主張」がさりげなく盛り込まれている。

その名手は脚本家・山田太一さん。

「想い出づくり。」では、当時「クリスマスケーキ」と言われた25歳前の三人の女性の「切実なる悩み」を見事に描き出した。

「ふぞろいの林檎たち」では「四流大学」の学生たちの「屈折した青春群像」を鮮やかにドラマ化した。

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