【読了】サロメの断頭台(夕木春夫/著)
■著者紹介:夕木春夫
・1993年生まれ
・本格ミステリやサスペンスを中心に活動。
・緻密なプロットや意外性のある展開が特徴。
・読者に驚きと考えさせられる作品が多い。
・文学賞の受賞歴があり国内外で評価が高い。
■あらすじ
①:油絵画家の井口は、祖父が購入した置時計の件で元泥棒の通訳 蓮野と共に、来日した富豪ロデウィック氏を訪ねます。ロデウィック氏は、井口のアトリエで彼の未発表作品がアメリカで見られたことを告げます。
②:井口は、自分の作品が盗作されたと考え、蓮野と共に犯人を追い始めます。犯人は、数年前に井口の家を訪れた同業者たちの中にいると疑います。
③:井口が出席した芸術家グループ・白鴎会の例会で、メンバーの一人が奇妙な扮装をした死体で発見されます。その後も白鴎会メンバーが集まるたびに、戯曲『サロメ』を連想させる姿で次々とメンバーが殺されます。
④:井口と蓮野は、盗作事件と連続殺人事件に関連があるのか、そして『サロメ』に見立てた殺人の意味を探ります。最終的に、二人は残酷な真実にたどり着きます。
■面白かったところ
①事件がどんどん広がっていく点
自分の未発表の作品がどうして盗作されていたのか?の謎を調べていくうちに、どんどん事件が広がっていくところです。盗作犯だけでなく、贋作犯も現れ、殺人も起こり、美術家深江氏の自殺事件、妹の失踪女優 岡島あやの謎の過去など、色んな事件、謎が出てきます。内容も関連性も異なりそうな事件が最後どのように線で結び付くのか、最後の最後まで分かりませんでした!
②点と点が線で繋がる
しかし、点と点の事件は、線で繋がります。内容も論理的に説明があり、納得。物語のストーリー展開が見事です。
③「断頭台」とは?怪しげな世界観
タイトルの断頭台の意味は、最後に分かります。方舟、十戒とは違う世界観ですが、ぞくぞくとするなんとも恐怖の雰囲気があります。
■最後に
かなり内容が多く分厚かったですが、最後まで謎が分からず読み応えありました!本作は蓮野&井口シリーズの第三弾だったようです('ω')。
シリーズ第一弾『絞首商会』、シリーズ第二弾の短編集『時計泥棒と悪人たち』も読んで関連付けたいと思いました!
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