〈少子化・社会保障〉論点そこですか?問題。
昨日、日経新聞でこんな記事を見つけた。
不妊治療が保険適用になった事で、不妊治療による出生が全体の1割に迫っているという話。
私も不妊治療経験者なので、出産を望む人の経済的な負担が軽減されて良かった!と心から思う。
ただ気になったのは、記事の後半。
不妊治療の成功率が低い要因として、晩婚化や利用者が40歳以上の人が多い…等が挙げられていた。
不妊治療の保険適用は
40歳未満・・・6回まで
43歳未満・・・3回まで
43歳超 ・・・適用なし
との事。
この年齢や回数の制限を見直すかどうか?が議論になったけど、結局ならなかった。
この政策を見ると「もっと早く出産して下さい」ってメッセージだと捉えられる。
一方で、少し前だけどこんなニュースも出てきた。
「会社員の妻(第3号被保険者)」にも社会保険料を納めて欲しいので、130万円の壁とかそういうモノを見直す方向…という話。
このニュースを見ると「もっと働いて、社会保険料収めて」というメッセージに感じる。
更には、これ。
高齢者定義を65歳→70歳引き上げに伴い、年金開始年齢を引き上げようとしてるのでは?と皆が感じているよ…って話。
これを見て「年金受給開始年齢に関わらず、働く高齢者は増えているよね」と思う(笑)
それぞれのニュースを見て、何かどんどん窮屈になるなと思う。
制度が益々複雑化している。
私は論点はそこではない気がするのだ。
①出入りが柔軟な働き方
野本響子さんと平川理恵さんがvoicyで対談していた。
その中で平川さんがこんな話をしていた。
(聞き直していないのでニュアンス💦)
いや、本当にそれなのよ。
「女性も一生働き続けるのが当たり前」と言われる。
「出産を機に仕事を辞めたら、正社員として社会復帰する事は難しい」と言われる。
だから女性は30代半ば辺りまで「戻ってきてからの居場所」を作る為に頑張る。
でも、退職しても、産休・育休をとっても、職場復帰が容易な世の中になれば、もう少し早く出産するという選択肢が増えるかもしれない。
②社会保障制度をもっとシンプルに
厚生年金か国民年金か。
社保か国保か。
パートは勤務先の人数や就労時間によって「第3号」か「第2号」かが決まる。
ずーーーーーっと会社員をしていると分かりにくいけれど。
退職して専業主婦になったり、転職したり、フリーランスになったり…「会社員以外」の立場になると、物凄く制度が複雑だ。
稲垣えみ子さんも「魂の退社」の中で、退職して初めてその事実に気付いて驚いた事を書かれていた。
これは少々乱暴な話になるけれど…。
そもそも厚生年金なんて制度を辞めてしまっても良いのでは?
厚生年金という「会社と折半でお得!」「扶養されるとお得!」という制度が、雇用の流動性を下げたり、パート主婦の就労意欲を削いでいる気がする。
勿論「働きたくても働けない」という人も沢山いるので、色々と配慮は必要なものの、「会社員とそれ以外」みたいな会社員を軸にした制度はそもそも見直しても良いのではないか?と思う。
③社会保障を必要としない人を増やせるか?
老齢年金は、高齢者の生活を支える大きな柱だと思う。
だけど医療費、介護費用については、もっと別のアプローチがある気がする。
1人1人が健康に対して意識を高める。
現役時代から、睡眠時間・筋トレ(運動)する時間をしっかり確保して、食生活にも気をつける。
testosteroneさん的な発想(笑)
過剰な延命治療をせずに、一人一人が「どういう最後を迎えたいか?」という思いを家族と共有する。
そんな事考える暇、ないのかもしれない。
皆忙しいと思う。
だけどね。
1人1人が、自分と向き合う事で実は解決できる問題はあると思うのだ。
何よりも
「社会保障の財源が足りないから、女性や高齢者にもっと働いてもらおう!」
じゃなくて
「税金(社会保険の財源にもなってる)の使い方、政府が見直して!」
と思う。
その動向をしっかり監視する。
それが、国民の仕事の1つでもあるよね。
今日もありがとうございました!