見出し画像

コミュニケーション能力は持って生まれたものではなく、習得するもの。

皆さんは、この本の存在を知っているだろうか?

帯の通り、大変売れているらしい。
書店へ行けば平積みされているし、ネット界隈の「〇〇グランプリ」等でも上位に選出されているベストセラー本だ。

何度もこの表紙を見てきたのに、何故か私は立ち読みすらした事がなかった。
「頭のいい人が」というタイトルが、そもそも「頭が悪そう」に思えたのか、ちょっと恥ずかしかったのか。
とにかく手に取る事すらなかった。

だけど、遂に読んだ。
読み終わった。
そして、やっぱり売れているだけの事はある。

凝縮された1冊


この本を一言で例えれば「凝縮された1冊」である。

1部 頭のいい人が話す前に考えていること
  「知性」と「信頼」を同時にもたらす7つの黄金法則
2部 一気に頭のいい人になる思考の深め方
  「知性」と「信頼」を同時にもたらす5つの思考法

目次より

これを一通り読み終えて感じた事は「コミュニケーションは技術」という事。

1部で一番最初に触れられているのが、「冷静さを失う事は愚か」という事。これは近年よく言われている「アンガーマネジメント」の大切さの話だった。

これを1部の最初に持ってきているのは「感情に任せて反応する事」が最も避けなければいけない事という意味だろう。

社会人になって20年以上経ち、色々な職場を見てきた。
声を荒げる管理職、管理職同士で喧嘩を始める、上司にやたらと言葉で噛みつく、泣き出す…。
色々な人がいる。

あまりにも悲しい事があって泣き出すのは百歩譲るとしても。
「怒りに任せて大きな声を出す」というのは確かに頭が悪そうと言うか「メンドクサイ人」と思ってしまう。

そういう意味で「どんな状況でも態度が一定」というのは大事なんだ。
それは、工藤勇一先生も生徒に「アンガーマネジメント」の技術を生徒にも教えていたというので全ての人において大事なのだろう。

話の聞き方、質問の仕方、話し方。
全てにおいて「テクニック」と言うよりも思考法とセットにした「型」を教えてくれる本だった。

定義の大切さ

本の中でもとても気になったのは「定義」についての話。

本の中で「管理の定義とは何か?」という話題が出てきた。

予算管理、人事管理、売上管理、生産管理、進捗管理
体調管理、体重管理、食事管理
(中略)
これらすべての「〇〇管理」に当てはまる「管理」の定義を考えてみてください。
(中略)
〝定義”とは、どのような「管理」に適用しても、意味が通じなければならないのです。

書籍より

これは身近な所でもよく考えさせられる所だった。

noteで交流させて頂いている、しんちゃんさんや、ようこさんはよく「言葉の意味」を調べて記事を書かれている。

当たり前の様に使っている言葉も、改めて調べてみると「そういう事だったのか!」と発見する事が凄く多い。

石丸伸二さんも、会見や討論の場で「〇〇という前提でお話します」「前提条件が…」等と、お互いの認識に齟齬(そご)がないのか?を割としつこく確認している。

でも、この「定義」「意味」「前提」ってとても大事な事だ。

「コミュニケーションを重視した職場にしよう!」と組織帳が掲げたとしても「コミュニケーション」の捉え方が各自違えばチグハグな組織になる。

コミュニケーションコストを意識せよ


もう一つ刺さったのは「コミュニケーションコスト」という言葉。

これはホリエモンも「電話をかけてくるヤツは嫌い」と公言している様に、「すぐに電話する」「とりあえず電話する」という行為がいかに迷惑か?という事だった。

これは私も日々凄く感じている。
私の会社は中々古風で、「対面・電話」の文化が強い💦

顧客との接点を取る時には「TELアポ」が基本。
携帯へ電話をかけて繋がらない時も「折り返しがかかってくるもの」「折り返し電話する事が人としてのマナー」みたいな価値観で動いている。

だけど、こんな会社に10年以上も在籍しながら私は電話をかけるのも、折り返しの電話をかける事も、あまり好きではない(笑)

携帯に「要件が思い当たらない相手」からの着信履歴があると、余計な心配をしてドキドキする。
折り返してみて電話がつながらないと何時間も「緊張状態」が続いてしまう。

つまり「思考の邪魔」になってしまう。
それを相手に負担させる事が好きではない。

でも、この本に出てくるのはそんな事以上に「とりあえず電話」というのは、「思考を整理して言語化する」という最もコストのかかる作業を誰に負担させているのか?という話だった。

これは本当にそうなのだ。

私も顧客当てにメールで細かい案内文書を書く時に、物凄く労力を使っている。
言葉の順番、読みやすさ、期限や注意点等が伝わっているか?など、気を揉む事が多い。

だけどこの作業を「とりあえず電話」「分かり辛いので電話」という手段を安易に選択すると、相手が口頭で聞いた事を記憶したり、記録したりしなければいけない。

エビデンスの残らないやりとりはトラブルの元にもなる。

相手にコミュニケーションを負担させないように、思考を整理して、話す順番(テキスト)を考える事の大切さを書かれていた。


そう考えてみると、この本は「思いやり」の本なのかもしれない。

「頭がいい人」に見られるという、一見浅はかにも思えるようなタイトルだけど。
「頭がいい人」を見られる事は、そもそも相手に「信頼」される事。
信頼される為には、それなりの所作がある。

その所作は、関わる全ての人に対する「思いやり」の様な気がした。


内容が物凄く濃い、この本がたったの1,500円だなんて。
著者に寄付したくなるレベルだ。

「管理」の定義についても本の中で触れられている。
仕事をしている人も、していない人にも是非おすすめしたい一冊だった。

<あとがき>
因みにこの本は買うなら断然「紙の本」が良いと思います。
と言うよりも、そもそもビジネス書みたいなモノってやっぱり「紙」が向いている気がして、最近「紙の本」が増える一方です(笑)

**「昨日読んだ本」コーナー**



オンライン読書教育「ヨンデミー!」に、毎日「感想提出」をしている子供達が昨日読んだ本を紹介するコーナー。

<読み聞かせした本>

<長男>

<次男>

今日も有難うございました。

いいなと思ったら応援しよう!

なんでもやってみる母
頂いたサポートは書籍や体験に使わせて頂き、またnoteでお返しいたします!