思い出話17 オカリナを吹くご老人
私はよく、緑豊かな水元公園の中を自転車で通り抜けていくことがあります。
何といっても景色がいいから気持ちがいいし、金町駅に出るにも都合がいいからです。
その公園の中で、時々、オカリナを吹いているご老人を見かけることがあった。
齢八十くらいだろうか、白髪のお爺さんである。
緑のじゅうたんのある木の下で、一人、日本の童謡を吹いているのでした。
周りの人はあまり関心がないのか、聴いている人はほとんどいない。
音楽好きな私は、しばらく自転車を止め、遠くから何気なしに聴いていた。