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片隅の音楽アーカイブ2016-2019

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ル・プチメックのWebサイトに連載させていただいていたコラムをアーカイブ化しました。2016年〜2019年にかけて執筆した文章になります。
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記事一覧

偶然性による面白さ。

偶然性による面白さ。

3月で40歳を迎え、同世代の間でケミカルウォッシュのジーンズを履くのためらうよね、という話題をたまにするようになった。古着好きの若い子を中心に町にはケミカルウォッシュジーンズをよく見かけるのだけれども、80年代後半にだんだんイケてないものになっていった時期をリアルタイムで経験している僕らアラフォー世代にとって取り入れるにはなかなか勇気がいるという話だ。先入観や予備知識は選択肢の豊かさを奪ってしまう

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不思議な国、インドネシア。

不思議な国、インドネシア。

日本でも人気のインドネシアのシンガーソングライター、アディティア・ソフィアンが9月に二度目の来日ツアーをするそうだ。ドトールコーヒーなどのコーヒーショップで耳にすることが多いので聞き馴染みある人も多いことだろう。ジャック・ジョンソンなどに通じるアコースティックで洗練された楽曲群はインドネシアの音楽と言われなければ意識することはないだろう洒落たオーガニックな音だ。今年は同じくインドネアシアのシティポ

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Like a river flows.

Like a river flows.

僕がデザインを始めるきっかけになったデザイナーの先輩でもある友人と久々に会った。若い頃に同じようなカルチャーを通過して育ったので、今の彼が何を見ているのか、聴いているのか非常に気になる存在だ。デザイン以上に音楽や映画の話の方が長くなってしまうのはいつもの事なのだけど、サニーデイサービスの再結成に全く興味がなかったけれども新作はズドンと心に響いたという話題で盛り上がった。面白いことに僕が18歳の頃に

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町が育む音楽。

町が育む音楽。

平日の昼間に仕事に詰まって仕事場の近くにある浜松市楽器博物館に行った。静岡県浜松市は一昨年ユネスコの音楽の創造都市の認定を受けたが、地元民からすると音楽の町という印象は残念ながらない。しかしこの楽器博物館は県外の人に自慢したくなる。歴史的な弦楽器や管楽器の博物館然したものはもちろん圧巻であるが、個人的には電子楽器コーナーの充実が嬉しい。モーグシステム35やヤマハDX7など今の音楽に繋がる定番名機も

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HOMEMADE MUSIC。

HOMEMADE MUSIC。

親も音楽家であるミュージシャンがデビューするのは別に珍しいことではないが、自分世代の親を持つ人達が出てくるとさすがに歳をとったなぁなんて痛感する。2年の夏頃だったか、当時高校生だったシン・リズムがano(t)raksからデビューした時それを強く感じた。リズムくんのお父さんは正確には僕よりも少し上の年代だけれども、自分が20歳前後の頃好んで聴いていたようなネオアコやギターポップを子守歌にして聴いて育

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愛すべき生まれて育ってくサークル。

愛すべき生まれて育ってくサークル。

ディック・ブルーナが亡くなった。もちろんミッフィー(うさこちゃん)で有名すぎるオランダの絵本作家のことだ。僕にとっては最も影響を受けてたグラフィック・デザイナーであった。僕が20代半ばの頃デザインの世界はスイス・タイポグラフィのリバイバルで湧き、多分に洩れず僕も感化されそういうものを目指していた。しかし自分がデザインするとしっくりこなくてものすごくスランプだった時期でもあった。そんな時に知ったのが

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繋がって深める。

繋がって深める。

三島市にあるCRY IN PUBLICへ行った。ここに来るのが目的というわけではなかったのだけど、三島に用事があり近くにある面白そうなお店ということで立ち寄ったのだ。zine(小規模な出版物・同人誌)を中心に扱うスペース兼リトルパブリッシングというくらいの予備知識しかなく入ったが、すぐにここが特別な場所なのだなと理解した。それほど広いお店ではないその一角を使ってオーナーたちが個人的に買い集めたzi

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名古屋で紡がれる音楽。

名古屋には18歳から31歳までの13年間を過ごした。大学入学と同時に名古屋で一人暮らししたので思い出も多い。道に困ったりしない程度に土地勘はあるが、離れてから10年も経つので、通い慣れた店が無くなっていたり、知らない景色が徐々に増えてくる。こうなると久しぶりに帰省した故郷みたいな感覚になるから不思議だ。名古屋は僕にとって程よい距離感のある心地よい町である。

SmileTVは18歳の時に創刊した僕

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愛おしい日常の音楽。

愛おしい日常の音楽。

今年は桜も咲くのが遅れ、なかなか寒い春だったのですっかり油断していた。蓋を開けてみたら8月半ばまで30度を下回らないなんて予報もあるそうで、早くも今夏を乗り越えられるかどうか不安だ。子どもの頃は真夏日なんて聞くと最高ランクの暑さだと思っていた。しかし今や猛暑日なんてさらに暑い日が訪れるのも普通のことになってしまった。数年前までは地球温暖化を防ぐためにエアコンの設定温度は下げましょうとか、なるべく節

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寄り添う音楽。

実はつい先日までフェスというものに行ったことがなかった。正確に言うと野外コンサートには何度か行ったことがある。キャンプ場や公園をまるごと借りきって複数のステージや露店が並ぶあの感じに少し苦手意識を持っていた。音楽はじっくり集中して見たいタイプなのでワイワイと騒ぎながらというのに違和感があったのだろう。今年は青葉市子とCHAIといったどうしても見たいミュージシャンがいたので愛知県蒲郡市で開催されてい

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嬉しい巡り会い。

嬉しい巡り会い。

高校生の頃は帰宅部だったので大学に入ったら音楽系のサークルに入ろうと決めていた。楽器でも弾けるようになったらいいなとか、音楽的に趣味の合う人がいるだろうくらいの軽い理由である。入った大学におそらく7、8個は音楽サークルがあったと思う、音楽系のサークルにほぼ占拠されたクラブ棟が校舎から遠く離れた端にポツンと建っていた。一応ぐるりと各サークルを見学したように憶えているけれど、当初の目的の一つ音楽の趣味

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誰が為に音は鳴る。

誰が為に音は鳴る。

夏頃に予約注文していたロジャー・ニコルスの企画盤が届いた。アプレミディシリーズの橋本徹さんが90年代渋谷系のバイブル的レコードガイド「Suburbia Suite」の25周年を記念して企画したアナログレコード10枚による7インチボックス・セットだ。彼らの1stアルバムを中心に選曲されていて、曲自体はすでに再発されているCDなどに収録されているものばかりだが、すべてモノヴァージョンであることや箱入り

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今の気分はこんな音楽。

今の気分はこんな音楽。

グラフィックデザイナーの職業病なのか、ついつい出かけたときに手に取ったフライヤーやショップカードなどの紙ものを捨てられずにいる。先日ファイルの一つを整理していたら2002年に企画されたgroovisions展のフライヤーが出てきた。裏面を見ると編集者・岡本仁さんのコメントが掲載されている。文の出だしはこうだ。『人は何と呼んだらいいのかわからない未知のもの薄気味悪さを感じるからだろうか、なんでもいい

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コーヒーと音楽。

コーヒーと音楽。

僕は文字が好きな割に小説はあまり読む方ではないのだけれども、このところ獅子文六の文庫本シリーズをついつい買ってしまう。獅子文六は戦前から戦後にかけて活躍した小説家で、最近再評価され続々と復刻されているらしい。装丁に若い人気イラストレーターを使いなんとも可愛らしい佇まいなので若い人も手に取っているそうだ。僕も本の企画者の目論見どおりジャケ買いしてしまっているくちだ。しかしこれがどうして洒脱な文体は実

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