クリエイティブの民主化。
これは第一回目の連載でも少し触れたのだけど、僕はサイフォン・グラフィカというデザイン事務所を主宰している。サイフォンというのは半分器械任せのコーヒー器具で、ハンドドリップとコーヒーメーカーの中間的な手間がかかる。1990年代半ばからデザインを始め、MacやAdobeといったデジタル技術がなければ出来ない、自分のグラフィックデザインに対する自虐と自負を込めたネーミングだった。自虐と自負というのは、基礎があまりに足りないのを自覚していたし、センスとアイデアがあれば新しいデザインは