懐かしのバタークリームを包み込んで。地元で愛される老舗の味。
手にとると崩れそうなほどふわふわの生地に
巻けないほどたっぷりの生クリームが入った
ぽってりと贅沢なロールケーキ。
これが私のロールケーキのイメージでした。
皆さんが思い浮かべる“ロールケーキ“は、
どんなロールケーキですか?
* * *
ある日、お義母さんに「ロールケーキ食べる?」と言われて出してもらったロールケーキは、
私の常識を覆すものでした。
渡された箱を受け取った途端に、手にのしかかる
予想外のずっしりとした重み。
(えっ?何が入ってるの?)
と頭上で疑問符が飛び交うほど、ロールケーキ
とは思えない重さなんです。
そっと箱を開けると、クレープ生地のような
焼き皮に包まれたロールケーキが2本並んでいました。
オリジナルと抹茶のふたつの味。
パッケージには“イタリアンロール”との記載が。
これは広島県江田島市にある老舗の御菓子司
「岡林花月堂」の人気商品。
地元では知らない人はいないほど有名なお菓子です。
お店のこだわりで、風味や食感が落ちないよう
カット売りはせず、一本売りしかしていません。
さて、1kg近くあるイタリアンロールを
まな板に移しカットしてみると…
中には密に詰まったスポンジとバタークリームが
隙間なくみっちり巻かれています。
なるほど。
流行りの“甘さ控えめ“なんて無視した、
昔ながらのしっかりガツンとくる甘さ。
コクのあるバタークリームは、
しっかりと質感のある密なスポンジに
クリーミーな丸みを添えるバランスのよさ。
抹茶味は、お茶の香りで深みがでて
さらにインパクトのあるお味になっています。
渋めの日本茶かコーヒーが相思相愛。
お盆やお正月におばあちゃんの家へ行ったとき
張り切って買ってきてくれるおやつみたいな。
そんな懐かしさを覚えるロールケーキです。
地元の人に愛され続ける味に、
昭和の風情を感じながら、ゆったりお茶の時間。
こういう昔ながらの味が、これからも大切に
受け継がれていくといいな。