【蒸留日記 vol.48】ラバンジン グロッソを蒸留してみる!
●序論
おいら氏、ラバンジン グロッソには大して魅力を感じないというか、関心は無いんですよ。
というのも、ラバンジン グロッソはその高い耐病性と高収油率から事実上、世界で一番育てられているラベンダーなんですね。
グロッソは1972年に品種確立されたーと聞くとかなり歴史ある品種に思えますが、それっきりオイル用品種というのは進化してないんですね。
えーと72年からというと、ちょうど半世紀・50年ですね。スゴイ!
・・・という先入観あって、ウチではグロッソをたくさん育てる!ということはしておらず、3株+α
一応はオイル採れる物量なので、しっかり収穫してオイルに差し上げたよっという記事内容でっすbb
■ラバンジン グロッソのざっくりとしたプロフィール!
ラバンジン グロッソはフランスにおけるラベンダーオイル生産史のなかで1972年に誕生した、オイル用品種です。
確か大農夫のピエールグロッソさんが作った品種で、耐病性が高くプランテーション栽培しても病気に集団罹患してダメになるリスクがかなり低いというのが品種特性のひとつ。
そしてオイル収量もラバンジンの中ではひときわ高く、既存品種より香り高いという特徴から、
なんと2022年現在までラベンダー栽培の第一線を敷くラバンジン品種です!
なので裏を返せば、安価に手に入る天然ラベンダーオイルとは、このラバンジン グロッソより抽出したラベンダーオイルである事がほとんど!!
コモンラベンダーもラバンジンラベンダーも、くくれば"ラベンダーオイル"になっちゃいますからね。
高いのは耐病性だけではなく、環境適性も高いのです!
前々からラベンダーは涼しくて台風や梅雨のない北海道・富良野でしか育たないというのが常識でしたが、このラバンジン グロッソはコモンラベンダーが育たない本州や九州でも育てる事が可能!(ハイブリッド品種のなせるワザ!)
なので本州にあるラベンダー園ではこの品種がメインに植えられていますbb
本州在住で家庭用蒸留機で庭植えラベンダーからラベンダーオイルを採っている様をレポートされている方々はほとんどがこのラバンジン グロッソを使っているようですね!
■収穫作業のようす。
わが園では、2020年度よりハーフ地植え試験のラバンジン苗にこの強健種グロッソを巻き込んでます。
そしてわりと実験結果がわかりやすく見えているのがこのグロッソでもあり。。。
新規花壇造成の関係で何株か試験株を引っこ抜きましたが、直径24cm鉢・27cm鉢、30cm鉢の3種類で栽培比較したところ、案の定根っこを大いに広げられる10号鉢が最も大きく育っているという結果になっております。
あまりにマトモに育ってくれたのをここで引っこ抜くのももったいないので、10号鉢の地植えグロッソはその場に残しておくことにしました。
わが園にいるグロッソはこれだけではないのですが、唯一マトモに育っているのはハーフ地植えの彼らだけですね。
あとは排水用土鉢の7株分が、枯れずにじーっくりと育ってくれてはいる状況です。
それらから花穂を摘ませていただきます。さて何グラム集まるか…
さて!本数が多いですが、大して株数はないので一本一本丁寧に摘んでいきます。
収穫時期は早朝ではなく、まさかの午後しばらくしてから!
というのも、ラバンジン グロッソはオイルのアロマが(ラバンジンの中では)比較的甘くフルーティである!ということなので、不快物質であるカンファー値をできるだけ下げるために昼を過ぎてから収穫することにしてました!
はい!2、30分かけて、立派なグロッソを丸刈りにしてやりました!
少々収穫時期が後半にズレたために新芽の主張がやや増してきている状況でした。
(今年の理想的な収穫日は8/5〜8/10だったかもしれない)
白っぽい長めの枝葉が、収穫した花茎の脇芽が伸びたものですね。
収穫後の姿にしてはちょっとみすぼらしくなってます。。。((sorry
はい、すべての収穫が終わってこんな感じでっす!
わりとどうみても、想定していた収穫重量1キログラムの雲行きが怪しくなってきました。。。
で実際に測ってみると。。。
1キロには遠く及ばず、663gでした。。。
まぁちゃんと育って花穂をたくさんつけていたのは10号株くらいだったので、そんなもんか〜とも思いつつ。
よりにもよって、マトモに育っているわが園初の謎ラバンジンが1株単体で656g出せたのはスゴイと思った!!
で、ここで我思った。。。
ウチでは数多くのラバンジン品種のオイルアロマを確認できる環境が整っているのだから、ご多聞に漏れずグロッソも香りの比較サンプルを取っておけばよくね?と。。。
ということで、急きょ収穫したグロッソの穂先をすべてカットし、重量再計測!
不思議なことに、この時点では謎ラバンジンを蒸留する時と違ってあまり甘く爽やかな香りがしてきませんでした。
(グロッソがフルーティで甘い香りってのは本当か…!?)
減った372グラム分が葉っぱおよび茎部分の重量で、花穂重量が291グラムほどという内訳になりました。
比率でみたければ読者さま各々で計算してみてください((笑
■いざ蒸留開始…!!
さっそく蒸留釜に花穂部分を叩き込み、いざオイル抽出開始!
・・・とは言っても蒸留完了までの写真を撮っていなかったので、この項目はなかなか書く事がないおいらです^^;
なにやら蒸留家のみなさんは芳香蒸留水を取っておいてるようなので、おいら氏もグロッソ芳香蒸留水は回収しておきました!癒しサウナやりたーい!
コモンラベンダーのように甘くはなく、カンファー調のスーッとする香りがしました。
■蒸留結果はいかに…!?
だいたい滴下開始から1時間を過ぎる頃にはほぼオイルは出きってしまっている感じがするのですが、1時間半回してみるとこのような量のグロッソオイルが抽出されました!
みたところ白く濁っていますね、おそらく樟脳(Camphor/Borneole)でしょうか。
できっかし5mL満杯に届きそうなぐらいの4.8mLほどのオイル抽出量となりました!
色合いはTheラベンダーオイル!というような薄オリーブ色!
■香りなど、総評!!
1.収油率
グロッソの収穫重量が1キロに満たなかったことから作戦を変更し、せっかくだから品種の香りを際立たせてみよ〜うという事にしてFlowering Topのみの蒸留に切り替えました!
さてさて肝心の収油率の計算いってみましょ〜う…!
・・・うーーーん、収穫時期が遅すぎたんでしょうか!笑
採れるオイル量の多い時期なんかは論文を読んでいけばいずれわかることですが、なんかイメージより低く収油率が出てしまいましたね。
想定では3%は超えてよかったんじゃないかと思っているのですが…
最もオイル抽出量の多いラベンダー、どうした!!
2.アロマなど
執筆時期もエラく遅れてしまったので覚えてません、次嗅いだ時執筆します(笑)
ではでは!!
そんなこんなのラバンジン グロッソ蒸留回でした!