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【蒸留日記vol.43】英国の貴婦人ことミスキャサリンを蒸留!
はい!見ての通り、いよいよピンク品種の蒸留回となりました!
このnoteでラベンダー知識に触れるのが初めてって方は少々驚くかもしれませんが、紫色ばかりを想像するラベンダーにはピンク色と白色がいるんです。
そのピンク品種の中でも有名なのが、2006年にイギリスのロンドン北東にあるノーフォークガーデンで作り出された、ミスキャサリンという園芸品種。
このピンクラベンダーがウチには7株いるんです!
えー初めて植えたのが2020年なので、今年で3年目になりますね!
●ラベンダーミスキャサリンのプロフィール!
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主に富良野などで見られる、甘く美しい香りのするラベンダータイプを俗称イングリッシュラベンダーと呼んだりするんですが、このミスキャサリンは正真正銘、英国生まれの品種。
なのでまぎれもなく真っ当なイングリッシュラベンダーといえます!
ウチにいるロイヤルパープルと同じですね。
生まれはロンドンにわりと近い北東のノーフォークガーデンという植物園?
どうやら歴史あるガーデンらしいっす。そこで作られたそうです。
そしてイギリス園芸協会(通称RHS)の新作品種の品評会で、見事に入賞を果たしているそうな!(園芸的な意味で)
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ミスキャサリンの伸び方は特徴的で、北海道の4号オカムラサキやロイヤルパープルのように大きく伸びては茎がだらんとすることがなく、比較的まっすぐ丈夫にビーン!と伸びます。
太くて丈夫という表現がしっくりくるかと思います!
花茎の高さは平均で50cmを超るほど長く、成長した株は優雅な出で立ちとなります!
それがRHSで入賞を狙うほどの美しさなのでしょう…!!
○時折、先祖返りを起こすことも!
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去年フラワーの収穫後、選別作業中にマグレで1本見つけたのですが、どうやら今年も現れたみたいです!
見てくださいよ!このピンク花の中に突然本来の紫色の花が現れる。。。
紫色に戻っているのは花びらだけじゃなく、ポプリ(がく)も同じように紫色に染まっています。
そしてそして、、、
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「あしゅら男爵」を彷彿とさせる2面された花びら
まさかの、小さい一つの花びらも根元のがくから紫とピンクとでキレ〜〜に真っ二つに(笑)
これホントどうなってんのww
ピンク花のミスキャサリンがなぜ紫色の花をつけるか?というと、ラベンダーのピンク色や白色は色素の異常によるものなので、ごくたまに何100本もある花の中で1、2本ほど本来の紫色のお花に戻ってしまうことがあります。アルビノ種的なやつです。
そういうことを先祖返り(元の形質を取り戻すこと)と呼んだりしますね。
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でも、どの発達段階・部分から色素の異常が起こるのかはわかりませんでした。。。
●収穫時の様子!
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ミスキャサリンの蒸留日に、遠くからお客さんがいらっしゃってました。
ラベンダーを見学したい!とこのことで。。。
せっかくだから蒸留してラベンダーからオイルが出てくるところまで見学しますかーという事になりまして。。。
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雨に追われながらの収穫でした。
降ったり止んだりを繰り返しつつも、結局ラベンダーが雨を浴びるとリナロールが溶け出てしまうので早く早く!の収穫作業となりました。
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ミスキャサリン3年目株の5株から採れたお花単体の重量は、203グラムでした!
ではこのお花だけを蒸留してみます。。。
●蒸留結果は…?
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驚いたのが、かーーーなり透明な精油が抽出されたことなんです。
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花壇でお隣さん同士であるNZ品種ブルーマウンテン5株のオイルととの比較です。
わかりやすく色が違いますね。これはおもしろい。
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ミスキャサリン5株からのオイル量は意外にも保存ビンの半分なので2.5mLも採れていました!
あれっもしかしてピンクラベンダーはオイルが多くなってたりするん??と疑問が湧いてきます。
ブルーマウンテンと同じ年度時期に植えたので同様の成長時間・環境のはずなんですけどねぇ、、、
●歩留まり計算してみた!
ミスキャサリン3年生5株からのオイル歩留まりは1.23%…
…意外と多いぞ?
はい!!
意外とオイルを多く持ってるんじゃないかと新しいワクワクを手に入れたミスキャサリンの蒸留回でした!
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