【蒸留日記vol.81】北海道ラベンダー品種イチ香りが美しい'2号はなもいわ'を蒸留する!
お待たせいたしました。溜めてたラベンダー蒸留記事、例によって遅刻投稿でっす!
蒸留日記vol.81は本命のメイレットに続き、大本命のはなもいわ!
そのはなもいわはわが園では今年が初の蒸留となります!
エフゲニーマエダはこの2号はなもいわの香りが数あるラベンダーの中で1番2番に好き!
なんといってもThe花!といわんばかりのクリアで透き通った美しい香りだからです!
なので待ちに待ったラベンダー蒸留お楽しみの回!ということになりまっす。はなもいわに対するさらなる愛は詳しく後述しますね…
■'No2 Hanamoiwa'のプロフィール!
1937年にフランスはプロヴァンスの高原から種子でやってきて数々のラベンダー品種として選抜された北海道ラベンダー品種のうち1種です。
学名はLavandula angustifolia 'No2 Hanamoiwa’となります。
歴史的には1967年に作出されたようです。
北海道ラベンダー栽培史のなかで最も後年に作出され、最も香りの美しい品種である名誉あるラベンダー品種です。
後述する園芸鑑賞性が低い点から、高品質なラベンダー精油の生産に特化したオイル生産品種の色が濃いのも2号はなもいわの特徴です。
開花時期がやや遅めであり、3号濃紫早咲が開花する7/1頃からさらに半月ほど経過した7/20頃からが満開となるようです。なので中咲き品種とも呼ばれています。
そしてさらに7/25など月末にかけて4号丘紫が開花してきます。
▶︎栽培数が少ないニッチな北海道品種となってしまった'2号はなもいわ'
しかしながら21世紀の現在ではかなり栽培数が少ないニッチなラベンダー品種となっている2号はなもいわ。
それはなにゆえかというと、大きく2点影響があったのです。
まずひとつは作出年が遅すぎたこと。
年代を整理してみると、こんにちの北海道ラベンダーを代表する4号おかむらさきや1号ようていは先んじて1962年に共に作出された栽培品種。
そして5年遅れて1967年に2号はなもいわが作出されて栽培奨励化と品種の普及が始まりました。
翌1968年から各農家に1年目の苗木が配られたとして、ラベンダーが十分大きく育ち安定してオイルが採れるようになるまで約3,4年。
そして北海道でのラベンダー商用栽培が終わってしまったのが1973年。
2号はなもいわが世に誕生してからなんと栽培期間がわずか6年しかなかったのです…
この致命的な栽培歴の短さが、昨今では2号はなもいわがあまり認知されない所以となってしまっていると考えられます。
▶︎園芸品種としても不遇だったラベンダー'2号はなもいわ'
2号はなもいわは数ある北海道品種の中でも花穂が成熟しつつある開花直前までは白っぽく、開花すると鮮やかな紫色のじゅうたんに変貌をとげる2色楽しめるラベンダーだったりします。
「紫色の花ラベンダー」のイメージとしてはやや異なる薄色のラベンダー品種なので、どうやら園芸品種としてはあまり好まれてこなかった品種のようなのです。
なのでこの2号はなもいわを見に行こうとするとファーム富田や富良野地域のいずれかのスポットでしか見られないような珍しい品種となっています。
(北海道での栽培のほとんどが3号濃紫あるいは4号丘紫の2種のみ)
2号はなもいわは中型品種といえるサイズに樹体が成長します。
北海道でポピュラーな3号濃紫と大型品種4号丘紫のちょうど中間にあたるサイズとなります。
なので、その点でも寄せ植えなどする上で園芸的にはやや扱いづらさがあったのでしょうか?
▶︎みんなHanamoiwa育てるといいよ
かなり"思想つよつよ"な表現をするんですが、北海道人はみんなはなもいわを育てろ!と思ってます。
というのも、北海道において最も優れたラベンダーとは…について考えたとき、北海道最大の都市圏である札幌市内の山の名前「藻岩山」を冠する品種であることから、北海道におけるCommon Lavender(True HOKKAIDO Lavender)に非常にふさわしい品種来歴であると思っているのです。
とは言っても、4品種中最もラベンダーらしく美しい香りを持ちながらも、園芸鑑賞性が商品価値をまだまだ握っている現代では2号はなもいわの苗木販売者があまりに少ないのです。(爽やかな香りの1号ようていと共に)
おそらく日本の苗木販売者のなかで2,3事業者しか扱っていない希少ラベンダー品種かと思われます。
なのでこれからの時代は特に香りが美しいラベンダー品種「2号はなもいわ」を札幌エリアで自治体ぐるみで栽培保護していってもいいんじゃないかと北海道観光の点から願ってるおいらです。
■収穫&蒸留準備!
所用の合間を縫っての収穫蒸留作業となっていたので、蒸留実施はまさかの夜になってしまいました!
今年2023年の7月末は雨の多い年となってしまっていたので開花状態がキレイに揃っておらず、未開花の花穂もあれば大きく育った花穂は何輪かブルームアウトしてしまっている花もちらほら見える状態での収穫となりました。
さすがは中型品種はなもいわ。たった7株しかないのですが25Lバケツの半分をも埋める収穫量となりました。
植えて2年目ですがここまでたくさん採れてる感があると育てていて楽しいですね!
収穫重量は655グラムとなりました!
特に花のみの選別収穫などしておらず、ザクザクっと大雑把に花穂を収穫しただけの収穫重量となります。
まぁそれが本来の通常の収穫方法か…と。
▶︎蒸留に葉っぱを含めたワケ
「2号はなもいわ」の香りに関しては、昨年22年の夏に先んじてファーム富田にて限定販売されていたはなもいわ精油をGETしていた経緯がありまして。。。
なのでその濃厚で何にも勝る美しい花の香りを先に知っていたんですよね。
そういった関係で他のラベンダー品種を凌駕する濃厚な香りをさらに濃厚にするのもどうかなぁーと思い、せめて葉っぱや茎に含まれるわずかなカンファー、ボルネオールを含めてみて爽やかさをプラスしてみてはどうか?という調香師的な見立てで蒸留に創意工夫を取り入れてみたんですよ。
■蒸留結果は…!?
10mLバイアルのちょうど中間ほど溜まったので5mL!ということになりますね!
1.収油率
今となっては収油率0.7%台というのはごく普通のラベンダー蒸留での抽出率として覚えてしまった値。
なので今回の2号はなもいわ蒸留では葉っぱ部分を含めて蒸留しましたがその率が0.76%。
なので花のみで蒸留すると1%を超えていたかもしれません。
2.香りとか
まっててね