【蒸留日記vol.79】北海道産ホワイトラベンダー品種'丘紫ホワイト'を蒸留する!
お待たせしました!
月末の多忙によりかーーーなり遅くなりましたが、書き溜めていたコモンラベンダーたちの蒸留記事更新でっす!vol.79は丘紫ホワイト!
■'Okamurasaki White'のプロフィール!
主に富良野のファーム富田さんなどで見ることのできる北海道品種’4号おかむらさき’の白花化品種とされる丘紫ホワイト(Lavandula angustifolia 'Okamurasaki White')になります。
学名記述するとL. angustifolia 'Okamurasaki var. Alba'になるのかな。
フランス人相手に記述すると、La Lavande 'Okamurasaki Blanche'ですかね。
かーーーなりニッチな品種であり、おそらくウェブ上でこの品種について特記している人間はエフゲニーマエダくらいなので通称がありません。
何と呼ぼうか…和名なので濃紫のように漢字表記で省略しつつ、ラベンダーの歴史的に採油品種ではなかったので号数を抜いて「丘紫ホワイト」と読むことにしています!
▶︎栽培地がほぼ無く、絶滅しかけの丘紫ホワイト
実は2020年ごろまで南富良野町の道の駅公園内にたくさん丘紫ホワイトが植えられていたのを確認していたのですよ。(上記記事)
がしかし、2022年に何が起こったかというとその希少品種らを植えた花壇の上にモンベル南富良野店ができました(笑)
希少品種が植わさった花壇は見事に潰されてしまったワケです。
という件あって、公共施設でこの丘紫ホワイトが確実に見られる場所は現状無くなってしまっています。
噂によれば、同町かなやま湖キャンプ場に移されたとか、町職員宅に配られたとか、或いは中富良野町のラベンダー苗を生産している農家さんが最後の砦となっています。
ラベンダー苗生産を引退されるとかなりアウトかも……。
すなわちで、絶滅の一歩手前という状態にある品種'丘紫ホワイト’なのです。
▶︎半年前、ドライポプリの香り品評はクッキーでも!
この22年最後の日の記事でも丘紫ホワイトが登場しております。
そしてクッキーに加工して味わってみた!というような内容でっす。
結果として、4号丘紫とも味を比べたのですが、明らかに香りが違う…という発見をしています。
ラベンダーは白品種化すると香りの生産構造も変わっている可能性が浮上しました。
では改めて、生花を蒸留して新鮮なエッセンシャルオイルを入手してみて、香りはどうなのかを確かめてみることにしましょーう!
■収穫&蒸留準備!
ウチの23年現在の丘紫ホワイト植栽数は7株となっています。
花壇前後でサイズが異なるのですが、これは去年花壇の造成がスムーズに進まず移植に時期差が生まれてしまったため成長量が異なっています。
(さっさと全株植えておけばよかった…)
丘紫ホワイト(L. angustifolia 'Okamurasaki White')の蒸留においては、精油の香りを特に確かめたい意向があったので、このような葉っぱと茎は確実に排除して収穫していきます。
アールグレイ紅茶のような独特のアロマがある4号おかむらさき精油と香りがどのように異なっているかを官能し確かめるのが主眼なんですね。
1時間程度で収穫し終えました!
葉っぱや茎に含まれる余計な雑味をもつ成分を排除しての蒸留となります。
定植2年目の丘紫ホワイトから収穫できた花穂重量は236グラムとなりました!
さてこの素材量からどれだけの精油が得られるか楽しみですね…!
■蒸留結果は…!?
意外と採れている気がします!これは"抽出率"(※)が期待できそうですね!
(葉茎を含めるか含めないかで計測重量と素材の含油率が変わるためあまりあてにできない数値となりました)
花穂236グラムから3mLのエッセンシャルオイルが採れました!
1.収油率
あまりあてにならないことが判明した昨今ですが、とりあえず見てみましょう。
花穂のみなのでそりゃ高く出るよね!とは思うのですが、1%越えはなかなかな数値ですね!
さすがはオイル産業の中で生まれたホワイト品種だと思います。
2.香りとか
クッキーでも味わったように、特に強く個性を感じるアロマ特徴を感じません、これがこの丘紫ホワイトの個性なのでしょうか。
意外なアロマ的特徴ですね、これは発見でした!
4号おかむらさきは太くパワフルな香りと、ラストノートで確実に伸びてくるアールグレイ紅茶や石鹸を思わせる清潔な香りがあるのが特徴なんですよ。
それとはどうも違っているのが発見でした!
GC-MSなんかでのより専門的な解析調査が待たれますね…!!