「良心をもたない人たち」 マーサ・スタウト 木村博江 訳
「心理学者としても、一個人としても、私は良心のない少数派の選択と行動によって、人生が狂わせられた例をあまりに多く目にしてきた。
これらの少数派は危険であると同時に、見分けるのがきわめてむずかしい。
とくに肉体的な暴力を振るわなくても、彼らは人の人生を破壊し、人間社会全体を不安に陥れることが非常にうまい。
良心をもつ人たちは、これらの冷酷で道徳意識が希薄な少数派を見分け、効果的に対処できるよう、彼らがどんな行動をとるかを学ぶべきであろう。」
「良心をもたない人たち」 マーサ・スタウト 木村博江 訳
サイコパス
この言葉にあてはまる人が、あなたのまわりにいないでしょうか?
ただの自己中心的な人間では片付けられず、精神が完全に病んでいる人間。
心理学者としても、一個人としても、私は良心のない少数派の選択と行動によって、人生が狂わせられた例をあまりに多く目にしてきた。
これらの少数派は危険であると同時に、見分けるのがきわめてむずかしい。
とくに肉体的な暴力を振るわなくても、彼らは人の人生を破壊し、人間社会全体を不安に陥れることが非常にうまい。
良心をもつ人たちは、これらの冷酷で道徳意識が希薄な少数派を見分け、効果的に対処できるよう、彼らがどんな行動をとるかを学ぶべきであろう。
この本の 「はじめに」 はとても長い。
その長い文章に、サイコパスの信じたくない怖さがありました。
普通に暮らしている私たちにとって、想像できないことが書かれてあるのです。
必ず人には良心があり、愛情や同情や思いやりがある。そう信じて、人間関係を築いてきた僕は、とても信じられない内容でした。
愛情・思いやりが感じられない。
まして、感謝のかけらも感じられない。
間違っていたとしても認めないし、謝罪もない。
攻撃的である。
想像してみてほしい ━━ もし想像がつくなら、の話だが。あなたに良心というものがかけらもなく、どんなことをしても罪の意識や良心の呵責を感じず、他人、友人、あるいは家族のしあわせのために、自制する気持ちがまるで働かないとしたら・・・・・・。
きっと、わかりあえると信じてきました。
でも、違うのです。
「精神病質」(サイコパシー)の人間が存在しているとわかっていないと、良心を持った我々の方がおかしくなってしまうのです。
アメリカでは、良心をもたないサイコパスが25人に1人はいるそうです。
この本に、アジア圏の国はもっと少ないと書かれていました。ですが、今現在の日本の犯罪・いじめ等のニュースを見ていると、この数字に近いのではないでしょうか。
このような人の気持ちを感じられない思いやりのない、人の気持ちを傷つける人間がいることを、苦しいけど認めないといけない。
認めた上で、逃げてほしい。まともな神経では対峙できないから。
だからこそ、今、そんな人に傷つけられているあなた。
いじめを受けている君たち。
社会の中で心を痛めている人たちに、この本を読んでいただき、自分の心を責めないでほしいのです。
このような良心を持たないで、「普通」を装って暮らしている人間が現実にいることを理解してほしいのです。
現在のところ、サイコパシーは治らない。
そして、かならずと言っていいほどサイコパスは治ることを望まない。
良心のない人に対処する13のルールが書かれてありましたので、是非見極めていただき、サイコパスから回避してください。
1 世の中には良心のない人たちもいるという、苦い薬を飲み込むこと。
2 自分の直感と、相手の肩書が伝えるものとのあいだで判断が分かれたら、自分の直感にしたがうこと。
3 どんな種類の関係であれ、新たなつきあいがはじまったときは、相手の言葉、約束、責任について、「三回の原則」をあてはめてみること。
4 権威を疑うこと。
5 調子のいい言葉を疑うこと。
6 必要なときは、尊敬の意味を自分に問い直すこと。
7 ゲームに加わらないこと。
8 サイコパスから身を守る最良の方法は、相手を避けること、いかなる種類の連絡も絶つこと。
9 人に同情しやすい自分の性格に疑問を持つこと。
10 治らないものを、治そうとしないこと。
11 同情からであれ、その他どんな理由であれ、サイコパスが素顔を隠す手伝いをしないこと。
12 自分の心を守ること。
13 しあわせに生きること。
【出典】
「良心をもたない人たち」 マーサ・スタウト 木村博江 訳 草思社