
「ダメなときほど運はたまる」 萩本欽一
「成功した大人はみんな素敵な言葉を持っています。言葉を磨くと、運も一緒に磨かれるんです。」
「ダメなときほど運はたまる」 萩本欽一
欽ちゃんの「運」についてのお話です。
この本を読んでいると、萩本欽一さんが一時代を築いたテレビ界の国民的タレントであるとともに、「運」についての専門家ではないかと思えるほど、体験的に、的確に「運」について分析されているのです。
今、自分自身で「うまくいかないなぁ~」と悩んでいる人にとっては、自信や勇気が湧いてくる本ではないでしょうか。
まず
「はじめに」を読むだけでも、「本当に!?」と感じるように、今の境遇を「チャンス!」に変えることができます。
生まれながらの運
だれかが持ってきてくれる運
努力した人の元へやってくる運
大きく3つの種類の「運」があると欽ちゃんは語っています。
「生まれながらの運」って、大金持ちの家やお父さんが社長さんだとか、恵まれている家庭に生まれてきたことなんだって思いますよね?
欽ちゃんは、むしろその逆だと言っています。
つらい環境や子育てに向かない親の元に生まれてきた人って、最初から運がプラスの状態になってるの。
こういう人は、すごくラッキーなんですって。
自分の境遇を恨まず、ごくふつうに生活を送っているだけで、必ず幸運がやってくるんです。
「だれかが持ってきてくれる運」とは
生まれた環境には関係なく、向こうからやってくる運です。
人から好かれていると、ちゃんと誰かが運を持ってきてくれるのだそうです。
「努力した人の元へやってくる運」とは、コツコツ努力していると、運の神様は裏切らないということ。
少しコツがあって、誰か一人くらいには努力していることをわかってもらえるようにするといいんですね。
だから受験勉強するときはお母さんにチラッと見えるようにドアを薄~く開けておくとか、夜サッカーの練習をするときはコーチの家の近くでするとか、運のためにちょっとは工夫したほうがいいの。
そうするとたまたまそれを見たお母さんやコーチが、神様の代わりに運をくれるかもしれないですからね。
隠れて努力するのはカッコイイかもしれないけど、一人くらいはそれを見ていたから、「伝説として後世に語られている」ということなんです。
この本を読んでよくわかったのは、不運なときほど運がたまるということでした。
それを活かすには「今ツイてないなあ~」とか「嫌なことが続くなあ~」と考えているときの、心の持ち方が重要だということです。
あっ、今は「運」の芽が育っているときなんだって、そう思うとつらい日々のなかにキラッと光がみえてくるでしょ。
それから
失敗は運の定期預金だと。
何度も何度も失敗していると、いつかそれに利子がついていい運につながります。
一番の運をつかむコツは、やっぱりコレです。
成功した大人はみんな素敵な言葉を持っています。
言葉を磨くと、運も一緒に磨かれるんです。
いい運を引き寄せるには、言葉がとっても大事なんです。
運がたまっているときも、言葉の使い方を間違えるとス~ッと運は消えていきます。
運の神様が嫌うのは否定の言葉。「ノー」より「イエス」に運があるの。
良い言葉を使うと、人の心を動かし、運を引き寄せることができます。でも、せっかくたまった運も、言葉ひとつで変わってしまうことがありますので、悪い言葉は使わないように注意してくださいね。
ほかにも、「こうすると運が逃げてゆく」とか「こうすると運が巡ってくる」とか、欽ちゃんの体験を通した言葉で語っているので説得力があります。
また
「欽ちゃん言葉」で書かれているので、読みやすく、スイスイ~っとページをめくっていけるんです。
辛いときは運を貯金していると考えて、不平不満を言わず、運がやってくるとワクワクしながら待っていることが開運の秘訣なんですね。
あともうひとつ、自分自身気をつけたいことが
「がっつくと運が逃げていく」
欲がない人なんていませんよね。まったく欲がなかったら神様になっちゃう。
でも、運をよくするためには、少~しずつでも欲を減らしていくことが大切。がっついている人は運に見放されます。
一度にあれもこれも、という運はないんです。
仕事、家庭、健康、お金、友だち、このなかから一つしか運は得られないの。だから仕事がうまくいっているときは、それ以外の運は望んじゃダメ。
上手くいっているときのほうが、気をつけないといけませんよね。欲が深くなりますから。
人生は、最後までわかりません。
今上手くいっていなくても、地中に深く深く根を伸ばしていけば、やがて大きな花が咲くでしょう。
結局、人生って丸ごと 「運」なんです。うまくためて、大事なところで使おうよ。
【出典】
「ダメなときほど運はたまる」 萩本欽一 廣済堂出版