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「未来創造」 松本零士


「夢を持ち続ければ、時間が必ず夢をかなえてくれる。」



「未来創造」 松本零士


松本零士さんが亡くなったとニュースで見ました。


僕は、松本零士さんの漫画・アニメが大好きでした。


上記の記事でも触れましたが、宇宙戦艦ヤマトや、銀河鉄道999、とくに好きだったのが「大純情くん」という漫画。


「大純情くん」は、下町の四畳半が舞台の漫画なんですが、大きなテーマがあって、機械世界が生身の人間を滅ぼそうとしているお話なんです。


今現在、人工知能がどんどん進化していく様相に、昭和の時代から警鐘を鳴らしているような、そんな作品にも思えました。


謎の美女・島岡さんが自分の命を投げ打って機械世界を滅ぼす直前、主人公の少年に語った台詞


さよならけじめくん
とおく 時の輪の接するところで
また おあいしましょう

「大純情くん」より 松本零士


この台詞がすごく印象的で、素敵な言葉だとずっと心に残っていました。「未来創造」にも、松本さんの宇宙を考察したこんな言葉があります。


宇宙はもしかすると、「遠く時の輪の接する処」、つまり、時空が一回転して、それが連続的に続いている世界かもしれないし、宇宙という名の空間がたくさんあるかもしれない。


松本さんの作品には、一貫した考えや哲学があります。ずっと「この宇宙とは一体何なのか」というのが根底に流れているのです。


そして


願いをこめて、未来のために作品を描いているのです。


僕が「想像」したことをもとに作品を「創造」することで、もしかしたら、その作品をきっかけに何かが変わるかも知れない。

僕も人類の一人として、この地球がよりよい方向に進み、幸福な未来へとつながっていってほしい。

大げさなことはあまり言いたくないが、大きな目的として、「地球の未来のために」僕は作品を描いているのかも知れない。


このように松本さんは、宇宙の中にある、我が母なる「地球」を愛し、地球の環境、地球の存続を真剣に考えていました。


松本さんの漫画やアニメは、自ら直接目で見たり、体験したことを元に「想像」し、そこから作品を「創造」してきたと言います。


「想像」を想像することだけで終わらせず、作品を作るという「創造」に結びつけました。


松本さんの「未来創造」というのは、こういうことなのではないか?


その言葉が


僕は作品を通して、若者たちにエールを送りたいといつも思っている。

そして、こう生きて欲しい、という願いを込めて、主人公たちを作品のなかで動かしている。

できることなら、読者が彼らの生き方を見て、自分もそう生きたいと思ってほしい。


同じことを申し上げることになりますが、松本さんの哲学は一貫しています。


それは、作品の中に息づいています。


どの作品にも、未来を担う若者、子どもたちにエールを送り続けています。


キャプテンハーロック ・ クイーンエメラルダス・星野鉄郎 ・ メーテル ・ 古代進 ・ 森雪 


松本零士さんのキャラクターたちは、彼の分身なんです。


時間は夢を裏切らない。
そして、
夢も時間を裏切ってはならない。

夢を持ち続ければ、時間が必ず
夢をかなえてくれる。

少年よ、少女よ、
それまで歯をくいしばって生きるのだ。

いつか必ず夢はかなう。
僕はそう信じている。
悔しくて流す涙は恥ではない。


ご家族のメッセージ
漫画家 松本零士が、星の海に旅立ちました〟


僕は、少年の日を思い返すたび、夜空の星を見上げるでしょう。万感の思いを込めて。




【出典】

「未来創造」 松本零士 角川書店


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shinku  |  読書ヒーリング
いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。それだけで十分ありがたいです。

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