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【AIによる予測】予測マシンの世紀#4 安さが全てを変える②
こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。
AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』がわかりやすいため、紹介していきます。一つ一つ詳しく見ていきます。重要なため。
目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測(魔法の予測マシン;「知能」と呼ばれるわけ ほか)
第2部 意思決定(決断を解明する;判断の価値 ほか)
第3部 ツール(ワークフローを分解する;決断を分解する ほか)
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来)
「安さはすべてを変化させる」の続きです。
■安さはすべてを変化させる
前回の記事で、新たなテクノロジーは真新しく驚異的ですが、経済法則は変わらないことを見てきました。経済学者は需要と供給の観点からすべてを理解し、既製の経済原則を使って戦略を立て、政策を伝え、未来を予測することができると。
では価格の変化は何を具体的にもたらすでしょうか?
何かの根源的なものの価格が急激に下がると、世界全体が変わることがあります。例えば光。読書のために人工的な光を使うことに価値があるかどうかなど、考えたこともないだろう。光はあまりにも安価だ。
しかし、ある経済学者が調べたところ、1800年代初頭には、同じ量の光に今の400倍の費用だ 。光の価格が下落し、自然光が届かないような建物でも生活や仕事ができるようになった。
光のコストが大幅に下がったので、「光を使うべきかどうか」など考えません。この値下がりが、不可能を可能にしました。
自分が光が安価になり始めた時代に生きていたら、どんな影響を想像できたでしょうか?そのチャンスを活かせたかと考えると自信がありません。。。
新しい技術が何かを安価にしたときに何が影響を受けるかは、その技術が人工光であれ、蒸気発電であれ、自動車であれ、コンピューティングであれ、必ずしも正確には明らかではない。
例えばコンピュータ。ある経済学者によると、「コンピュータは算術をするだけで、それ以上のことは何もしない」と指摘しています。
算術が安くなったとき、私たちは従来の算術のアプリケーションに多くの算術を使うようになっただけでなく、新しく安くなった算術を、音楽のように従来の算術とは関係のないアプリケーションにも使うようになった。
コンピュータの技術のすごさに目がいってしまいますが、「算術が安くなった」と考えて、その影響をみると、まったく見方が変わってきます。
1世紀半後、算術のコストが安くなり、数千の算術の応用が出来た。算術は多くのものに重要なインプットであり、光の時のように、安価になったとき、世界を変えたのだ。
さて、ではAIは何を安価にし、何を大きく変えるのでしょうか?
AIが経済的に意義を持つのは、重要な何かをはるかに安くするからだ。あなたは知性、推論、思考そのものについて考えているかもしれない。人間が考える必要がないようにしてくれる体を持たない存在を想像しているかもしれない。
これはよくある誤解ですね。人間と同じことができるAI。しかし、今のところAIは思考はしません。そのため、思考は安価にはありません。
新しいAI技術は、何を安くするのか?予測だ。したがって、経済学が教えてくれるように、私たちは予測をより多く使い始めるだけでなく、それが驚くべき新しい場所で出現するのを目にすることになるだろう。
散々引っ張ってきましたが、AIは予測を安価にします。では、このことにより、どういう価値が生まれるのでしょうか?
本日はここまで。明日は、安さが生み出す価値についてです。
草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/