【オライリー氏からの助言】ようこそ21世紀へ#6 今、完全に予想外のことが起こるかもしれない?
こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。
オライリー氏のレポート、『Welcome to the 21st century』をまとめています。目次は以下です。
・概要
・二度と戻ってこないものは何か
・今、完全に予想外のことが起こるかもしれない?
・未来からのニュース
・堅牢な戦略の展開
・堅牢ではないもの
今日のテーマは、「今、完全に予想外のことが起こるかもしれない?」です。
先日書いた2つの記事では、今後戻ってこないものについて書きました。
少し悲観的になってしまいます。しかし、オライリー氏は以下のように議論を展開されています。
20世紀初頭のすべての混乱の中で、技術の進歩は急速に続いていたことを覚えておくとよい。それは抗生物質、内燃機関、自動車、飛行機、電気網と普遍的な電話サービス、映画、ラジオ、テレビが新しい娯楽経済をもたらした世紀であり、象徴的な超高層ビルや吊り橋がこれまで想像もできなかった応用工学の偉業を実証した世紀であり、原子爆弾と水爆、月面着陸と国際宇宙ステーション、黄金の米、コンテナ船、通信衛星、コンピュータ、インターネットの世紀であった。水力発電ダム、マンハッタン計画、州間高速道路システム、宇宙計画など、広大な公共事業の世紀でもあった。社会保障制度、メディケア、週40時間労働、そして一戸建て住宅の所有をアメリカンドリームの一部にした膨大な政府支援の融資プログラム。
振り返ってみると、第一次世界大戦の混乱から始まった20世紀は、技術が急速に進歩した世紀でした。それに伴い、人類の生活も一変しました。歴史の勉強が必要です。以下の報告書は勉強になりそうです。
オライリー氏が以下に総括している通り、明るい世紀ともいえます。
要するに、確かなものとして捉えられていた多くのものが流された一方で、莫大な進歩があり、世界中の人々が世紀の前半の危機から脱出し、より豊かになり、より高い平均寿命を持ち、何百もの方法でより良い暮らしをしている。
そこで、シナリオ・プランニングを用いてシナリオ作成する場合、明るい未来を想像するのもよいのです。子供の頃に描いたような、明るい未来です。オライリー氏も以下のように述べています。
あなたのシナリオでは、もしよければ空飛ぶ車やロボットタクシーを想像してみるとよい。あるいは、人工知能に向けたさらなる大きな進歩を想像してみるとよい。医学のブレークスルーを想像するとよい。
全ての技術発展が人類、地球にとって良い方向に進む未来は、前向きになれます。
また、昨日も議論した通り、新たな国際関係が構築される可能性もあります。
逆に、ある国が大胆に未来に向かって進んでリーダーシップを発揮している間に、一部の国がそのような投資に失敗し、無関係に陥ってしまうことを想像してみるとよい。ガバナンスと国際協力の新しい形を想像してみるとよい。より包括的な経済を想像してみるとよい。
以下はオランダ語ですが、「170人の科学者のマニフェスト:コロナ危機からより環境に配慮しなければ、それは失敗です」というお勧め記事です。
シナリオ・プランニングをする上で、今発明されている技術が将来の発明にどのような効果をもたらすかを考えることも大事です。
最近の発明と将来の発明の二次的な効果を想像してみるとよい。
自動車は都市を再編し、鉄道は、少なくともアメリカでは、ほとんど無関係に追いやられた。
安価な空の旅は観光を可能にし、戦争を一変させた。
コンテナ輸送は、グローバル化の鍵を握っていた。
エレベーターの普及は20世紀の超高層ビルを可能にした。
抗生物質は、多くの病気を人々から守っただけでなく、豚、牛、鶏の工場飼育を可能にした。一方、耐性菌につながる過剰な使用は、今では人間の病気を治療する力の終焉を脅かしている。
21世紀の発明は何を生み出すのでしょうか?その新しいものの開発に必要なスキルは?これは今まで取り上げてきた、「21 Technologies for the 21st Century」の内容そのものです。
明日は「未来からのニュース」です。
草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/