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水崎秋
2024年11月13日 23:53
コップいっぱいあふれた水をフローリングにぶちまけるため息ひとつ、慌ててタオル一滴残らず拭き取ったバケツいっぱいあふれた水を大草原にぶちまける晴れた感情、伸びひとつ瑞々しさを取り戻す何を気にしていのちを燃やす?自分の世界を研ぎ澄ます?他者を活かして生き延びる?大きな宇宙の小さな美学早朝5時のサイレンが「こうあるべき」を消し飛ばす大地を讃美する声色が「どうで
2024年10月21日 02:34
ユートピアからやってきた吟遊詩人のお出ましさとんがり帽子は折れている心の代わりに折れてんだあなたと一緒に沈んであげる優しい男さ、皆そう言う沈んだ先で冷たくなって残された花は拾ってゆくよ煙草のけむりで隠せばいい浅い呼吸と宝物だからなんだと知らん顔ユートピアからやってきた吟遊詩人の夜のうた緑のマントは擦り切れたあなたの代わりに擦り切れたあなた
2024年10月17日 01:18
灰色の心臓に赤い血を巡らせたなんてことは妄想で想像したら不可解でため息ひとつ飲み込めず僕らは無力と言葉にできないひとりのカオスが見つかった心の場所を探ろうと視線を右上に動かした未だに知性は蒙昧で幼稚な私が悲しくて冷えた指先も動かせず僕らは何も成し遂げられないひとりのカオスを見送った歩くだけなんだ、あくまでも遠くで光るなにかの麓に向かおうなんて
2024年7月10日 23:49
旋回する信念の翼を嘲笑うジャイロスコープ回転に内包された虚無と無限にポルードニツァは涙を浮かべた百獣の王は波打ち際で沈黙して飛魚の残影に進むべき道を見た平面に奥行きを見ることは天賦の才と知るがいい突き刺した理念の旗を薙ぎ払うサイクロトロン九番目の戦線には薔薇色の血が流れ赤茶色の草原に碧い火が灯った視界を覆い尽くす妄念は透明なエネルギーだと誰かが言った色のつ
2024年7月5日 23:45
吠える目の前の地面に向かって涙は頬を伝わない落ちた水滴を舐めとって反響する怒号を聴く肉とも骨とも乖離して上を向いて歩かない踏み締める大地だけを睨んで闊歩闊歩と進むのみ食いしばった歯は削られて復讐の鐘は鳴り響く救われるんだ救われるんだまどろみを破る喇叭と流星泥の中に咲く一輪を散らせましょう、その旅路の結末で笑いましょう、捨て去った最果てで
2024年6月13日 01:38
無限遠点の先の海君には見えない真理の光私はずっと見据えて進む夢想旅人の反逆路千年前の光源辿る見上げるだけの星間旅行一歩も動かず心を届ける宇宙と私の漸近線ああ、クラレッタああ、クラレッタ貴女を目指す一歩目を私は笑いはしないだろう二歩目を踏めば戻れない逃げない証左を示すだろう運命を決める三歩目に込める力は揺るぎなく生死の狭間の四歩目を誇りと呼べば憂いなく
2024年5月15日 22:36
さらさらなびく愛の跡ひなたにそよぐ夢の島秒針だけが走り去り不可逆の今が残された隣り合わせのハイドとシークほらほらごらん「まぁだだよ」回転木馬とブリキの人形錆びた指先を握るだけ必ず戻ると言ったきり逆さまの城で待たされたガーデンハウスのパズルのピースほらほら逃げろ「まぁだだよ」噴水からは静寂だけおもちゃ箱とノスタルジーあの日の温もりは戻らないあの日の苛立ちは戻らな
2024年4月20日 02:26
ナイフと色褪せない天球儀砂をふりかけた群青を横切る金属の彗星渓流に立つ悍ましい物の怪穏やかな足元だけを見て静かに後ずさる朝焼けに混在するモノクロ美しいを濁すのはいつだって夜明けの鐘シンクロとは非科学的終末通じ合った時こそ終わりを予感する悪癖終幕を知らされないピエロ泣きじゃくる少年には張りついた笑顔を迷路と故郷に遺された名前戻れないのならここで産声をあげようか逆手
2024年3月31日 01:36
夢に見た姿になってみた中身を詰めたら出来上がり伽藍堂にも劣る醜態前を向いても向いただけ火花を起こしても火を起こせないくしゃくしゃピースは湿気たまま困難苦難ゆらりと飛び越え降り立つ先は処刑台掃いて捨てるよ現在を土台がなければ立てはしない砂上の楼閣と笑われて踏みつけてしまったこれまでを走り出しても走り続けられないごちゃごちゃ文句は浮いたまま艱難辛苦さらりと飛び越え
2024年3月21日 22:04
誰かの心を動かしたいと名乗りを上げた僕だよな幼い心ってなんだっけ幼いことを許す自分だよな感情たちの群れの中で両足で立ってみたうずくまっていたら見えない景色を確かめたくていつかはなれるのかな大きな奔流の真ん中にここでいいんだと座り込んだプライドなんか明日にはガラクタなんだいつかは必要とされたいとあたりを見回した僕だよな強いと思われたかったっけ関係ないって武装したよな
2024年3月19日 21:40
涙を流す機能を持った機械仕掛けの観測者熱と光と細めた双眸答えは最後にとっておく戦い続けた星だけが宿す閃きがあるんだろう交わることはないんだよここに心を置いていこう置いた心が朽ちようと確かな事実だけを携えよう泥の中を歩いていった脈動している観測者風と終わりと静まる遠点じっと夜明けを待っている歌い続けた声だけが届く地平があるんだろうたくさん抱えてきたんだよ
2024年1月15日 01:51
貴女が好きですと言ったことは一度もない貴女といたいですと言ったことは一度もないそれでも僕は吠えていた貴女が好きだと吠えていたそばにいられないと知っていたいてはならないと知っていた暗い底から這い出した白い陽を浴びる貴女には私は必要ないのです未来が光に満ちている自由を手にした貴女には私は必要ないのです私は貴女を忘れません貴女が私を忘れても雑踏に消える私の背
2024年1月7日 02:34
毒を食む右手に林檎、左手に空洞舐めとった甘毒に貴女は小さく頷いた貴女の黒髪は白く乾いてしまった貴女の柔肌は黒く褪せてしまった貴女の生命は儚く凪いでしまった墓を立てよう見晴らしなんてどうでもいい墓を立てよう空の高さなんてどうでもいいそんな貴女の墓を立てよう皮肉に満ちた墓を立てようエルサレム聖地は遠く、光は見えない飽き飽きする孤独に僕は小さく身悶えた墓を立てよう
2023年12月22日 22:17
長生きしたい長生きしたいあれもしたいこれもしたいあれが欲しいこれも欲しいしたいことは絶え間なく生きたい意志は淀みなく醜く映った瞳にも仲良くしようと微笑んだ長生きしたい長生きしたいあれもしたいこれもしたいあれが欲しいこれも欲しい後悔先に立たずと誰かが言った思い立ったら吉日と僕は叫んだ意欲物欲強欲よくよく自分勝手は才能だ長生きしたい長生きしたいまだまだ生き