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中高の授業設計で気をつけていること。

みなんさん、どう授業の設計していますか?

私は中高の英語教員で、教科横断をベースに「英語だけでなく、英語で何かを学ぶ」を意識しながら取り組んでいます。

特に大事と思うのは、色んな活動や教材外の知識を駆使して、生徒が飽きないよう工夫すること。

最近、色んな方にこの質問を聞かれるのと、受講していたオーガニックラーニングの研修で学んだこともあり、何となく直感で行っていることを、今後の教員研修でも使えるようにまとめました。

授業設計には色んな考えがあるが、私のベースは、経験とマイクロソフトの21CLD:21st Century Learning Design。21CLDはよくできているが、もっとシンプルにまとめられないかなと思い、思考コードの考え方も導入。

【参考】21CLD&(思考コード)

で、教員研修でも使えそうなシンプルで分かりやすいものが理想で、その結果、完成したのがこの形。

篠原の授業設計シート

【左側】
知識・理解:「知る・理解する」など
思考力・判断力:「考える・まとめる」など
創造的思考:「問い作成からの意見」など
メッセージ性:他者の意識をかえる。

今の教育を考えると、創造的思考の上にそれがメッセージ性があるものかどうかも重要だと思う。折角、何かを作ったのなら、それを自分の中で完結するのではなく、クラスメイトだけでも共有した方が良い。

また社会を変えるようなアイデアなら尚更、発信すべき。

【矢印】ICTの有用性
傾向だけではあるが、矢印の上にある活動ほどICTの恩恵を受けやすい。

例:ドリルで知識・理解
 それが紙であろうがアプリであろうが、どちらでなければならないわけではない。

例:学外へメッセージ性のあるものの発信
 紙でもできるが時間がかかる。印刷代もいる。それはICTを使うと早い、そして便利。

【☑項目】
☑項目は、一連の活動を考える上で、必ず設定したり、振り返ったり、修正したりする部分。

①タイミング/教科横断
その当該生徒の状況を踏まえるor他教科のシラバスをみて連携部分を探す。テーマが決まっている場合は、そちらに合わせる。

例:学校全体で英検を一斉受験するなら、当たり前だけど、検定の実施前に行う方が効果は高い。それと同様に、高校1年生の1学期なら、1学期ならではの活動案をいれて考える。

高校1年生の1学期なら、高校生になったフレッシュな気分、ちょっと高校生ではこんな風にがんばりたい、そんな変わりたい気持ちや前向きな部分をくすぐるような活動を私ならいれる。

教科横断については、まずは全教科のシラバスをみるべし。担当している生徒たちが、今、他教科で何を学んでいるかをしると教科横断の連携もとりやすい。

データなどありませんが、やはり教科横断であるテーマを軸にして多角的に学ぶと、生徒たちの知識は深まります。


②実社会・自分事
英語だと、リーディング教材を実社会とつなげる。また、自分事としてとらえられるような活動を入れる。文法なら自分自身のことをそれを使って表現する。

例えば英語に限らず、総合/探究/SDGsでよくでてくるEqualityとEquityの文脈だと、まずこの写真。

出典

この概要の説明が終わったら、何を伝える?そこで終わるともったいない。

概念だけ生徒たちに伝えても、それが実社会とどうつながるかまで伝えたり、紹介しないと、生徒たちはその概念を自分事としては正直、とらえにくい。だからこそ、習ったものを実社会や自分事としてとらえる活動が必要。

私はちょうどコロナ禍の時だったので、給付金の一斉至急や収入基準による給付金の違いなどを紹介しました。

③自己成長:肯定・効力・向上
生徒自身が伸びたと実感する活動になっているか。これで○○ができた、次はできると思うように設計されているか。

ある単元をおこなって、振り返って何ができるようになったか、を考えられる活動をいれたり、みんながやりやすいように工夫したりなど。

④自律的学習
計画を練ったり、目的をもって学んでいくという姿勢を育成する機会や活動があるか。もちろん、中学1年生と高校2年生では、手法は変わる。大事なのは、学齢に応じてどう“自律した”学習者へとサポートできるかを考えていれる。

⑤ICTの有効性
ICTは便利であるが、その使い方は適切か。それによって生徒が取り組みやすくなったり、教員の負担が減ったりしているか。

何でもかんでもICTで本当にいいの?それ逆に手間になってない?
生徒も教員もが使いやすく効果が高いものを採用すべき!
ICTを使うことで誰かの負担が増えるのは本末転倒。

生徒〇 教員 〇 ⇒ OK
生徒× 教員 〇 ⇒ ×
生徒〇 教員 × ⇒ ×
生徒× 教員 × ⇒ × (すぐ見直し)

【使い方】

基本的には活動を黄色の部分で考える。
また、一連の活動でチェック項目をチェック。

チェック項目で不足している部分があれば、活動を入れたり、修正。

15回ぐらいの時間数で、表のほとんどに☑が入れば、それは様々な活動ができている証拠。

ダラダラと書いてしまいましたが、授業を設計する際は教科書だけでなく、こんなシートで振り返り、活動の幅を広げてはいかがでしょう?

私もこのシートを使いながら、よりよい授業を目指していきたいと思います

きっと出来立てホヤホヤなので、穴があると思いますが、今後改良していき、使いやすいものになればいいなと思います。

最終更新日:2024年8月19日


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