浸透圧を知る|炎症・脱水・浮腫などの理解に必須
こんにちはSHOです。僕のnoteを読んで頂きありがとうございます。
暑い時期が到来したことと相まって、ここ数日「脱水症状」について触れておりました。
ダイエットをするにあたっても、まずは何より健康であることが非常に大事になってきます。まずは体調管理をしっかりして頂くためにも、水分補給をしっかりおこなって頂きたいです。
今回は、上のリンク先の記事でもスラっと書いてしまった
【浸透圧】
という用語について、改めて解説しておきたいです。
その理由は、今後僕が話をしていくにあたって、浸透圧についての理解がものすごく重要だからです。脱水の話はもちろん、炎症や浮腫の話をする際にも浸透圧について触れますので、改めてここで伝えておきます。
手書きのノートになりますが、参考画像として載せておきます。
○浸透圧とは?
例えばきゅうり。
これに塩をかけたら水分が抜けて漬物ができます。これはきゅうりに限定するものではありませんが。
また、塩をかけたら水分が抜けて死んでしまう生き物もいます。お願いだからそんな残酷な事はしないで頂きたいものです。
「塩は水分を奪う」のです。
そんなことを意識しながら行動している人はほとんどいないと思います。無意識に、そんなこと知ってますよくらいで行っている人がほとんどでしょう。
でも、なぜこのようなことが起きてしまうのか?というと、それは【浸透圧があるから】です。
ここで上の図を参照して頂きたいのですが、
・塩分濃度3%
・塩分濃度1%
この2つの水溶液があって、上の図のような変な形をしたビーカーに同量入れると、混ざって塩分濃度2%の水溶液ができます。これはなんとなくイメージしやすいと思います。
では次に、間に特殊な「膜」を入れた場合です。
この膜は「水は通すけど、塩は通さない」という膜で、このように「あるものは通してあるものは通さないよ」という膜を「半透膜」といいます。
この場合に、さっきと同じように同量の水を入れるとどうなるかというと、塩分濃度が高い方がかさが増して、塩分濃度が同じ(2%)になるという不思議な現状が起きるのです。
なぜこのようなことが起きるのかというと、塩分濃度の低い方の水が塩分濃度の高い方へと移動しているからです。この膜は塩は通さないので、残った方(水分が減った方)は塩分濃度が高くなります。
逆に、水が入ってきた方は塩分濃度が低くなります。その結果、どちらも同じくらいの塩分濃度になっちゃいましたよっていうことです。
○浸透圧のポイント
最後にもう少しだけポイントを抑えて終わりにします。
浸透圧は濃度が高ければ高いほど強くなります。例えば、上の図は濃度3%でしたが、濃度が高ければ高くなるほどさらに水を引っ張る力が強くなります。
また、上の図では塩分濃度3%と1%の水溶液を載せましたが、3%の水溶液は1%の水溶液に対して高張であると表現したりします。逆は低張であると表現したりします。同じ濃度であれば等張であると表現します。
○人間の身体にも半透膜はあるのか?
結論から申し上げると、あります。場所は細胞の細胞膜で、水は通しやすいけど、塩のような物質は通しにくいという半透膜と似たような性質を持っています。植物も動物も、このような天然の半透膜を持っているのです。
例えば、海で海水が目に入ったり鼻に入ったりすると痛くなりませんか?
これはなぜかというと、浸透圧が違うからです。海水の塩分濃度は約3%なので体液よりも塩分濃度が高くなっています。なので、海水が鼻の粘膜に触れると細胞膜の中の水分(細胞内液)が外へ溢れます。その結果細胞が刺激されて「痛い!」となるのです。
水道水やプールの水でも痛くなるのですが、これは逆に体液よりも塩分濃度が低いからです。この場合は、浸透圧によって細胞内に水分が入ってきてしまいます。これも細胞にとっては刺激になるので「痛い!」となるのです。
花粉症などの治療で鼻の治療に使用するものは、このような刺激が起きないように等張にされています。体内に入れる輸液も同じです。このようなものは「生理食塩水」と呼ばれていて、塩分濃度を0.9%に設定しています。
浸透圧は塩(塩化ナトリウム)だけではなく、砂糖やカリウム、水溶性たんぱく質でも起きますので頭に入れておきましょう。
今回は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございます。