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It's my favorite.II

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#小説

喋れない僕と、歩けない君。【才の祭】

空はどんよりと鈍色にくすみ、街はすっかりクリスマスカラーに染まっていた。黒いコートを着た僕だけが、世界から取り残されたようにぽつんと、人混みを歩く。

駅の階段を上がると、目の前を車椅子の女性が進んでいく。すれ違った瞬間、

「あっ」

と、同時に何かが倒れた音がした。振り返ると、車椅子が倒れている。その脇で、女性が地面に横たわっていた。

一番近くにいた僕は反射的に車椅子を持ち上げた。思ったより

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【短編小説】イエロー&ピンク【#夏の香りに思いを馳せて】

【短編小説】イエロー&ピンク【#夏の香りに思いを馳せて】

「ママ。ファイティンレンジャーのお面欲しい」

「どの色の?」

「レッドに決まってる」

「イエローもピンクも悪くないんじゃない?」

妻が息子に微笑み、それから僕に話しかけた。

「今はイエローも女性レンジャーになったよね」

「あの頃は、ぽっちゃり男性の独占ポジションだったのにな」

***

僕と妻との馴れ初めは、大学時代の夏休み。〈地球戦隊夏祭り〉と銘打たれた、地方遊園地のヒーローショー

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【ピリカ文庫】君の翼は、

【ピリカ文庫】君の翼は、

 『…航空45便でパリへご出発のお客様にご搭乗のご案内を申し上げます…』
 流れるアナウンスを聞きながら鷲はゆっくりと立ち上がる。大きな窓の向こうには滑走路。朝の柔らかな光を反射する沢山の翼が見えた。

*****

 鷲の父は少し名の知れた写真家だった。依頼があれば他の写真も撮るが一番得意なのは鳥の写真で、世界中を旅しながら様々な鳥の写真を撮っていた。子供の頃は父が話してくれる旅の話が大好きだっ

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【ピリカ文庫】│春風を君に

【ピリカ文庫】│春風を君に

 私がみんなを
 あっためなきゃ!
 私って、優しいもの!

 私がみんなと
 遊ばなきゃ!
 私って、楽しいもの!

 おじさん、
 私はそう思ってます!
 私、えらいでしょう!

 ほら、おじさん、
 私、いい感じですよね?
 まちがっていませんよね?

 このお家には、
 かわいそうな子が、
 たくさんいますけれど!

 私はまだまだ、
 ましな方だと、
 思います!

 だって生きてるんだ

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僕のカチンコはケツバット|#ポンコツ書き出しチャレンジ

僕のカチンコはケツバット|#ポンコツ書き出しチャレンジ

「右手でけん玉、左手でヨーヨーをしながら、リフティングを百回する」

一学期最後の日、夏休みの目標を提出した僕は担任の松本に殴られた。ガキ使のケツバットでお尻を…だったが。なんで教員がそんなものを持っているのか、訳がわからない。

「お前たち、真面目に目標を書け!ふざけている奴は、夏休みを始めさせないからな。」

松本はケツバットを片手に黒板前に立ち、書き直しするまで僕たち3人を教室から絶対に出さ

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