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#小説
【短編小説】イエロー&ピンク【#夏の香りに思いを馳せて】
「ママ。ファイティンレンジャーのお面欲しい」
「どの色の?」
「レッドに決まってる」
「イエローもピンクも悪くないんじゃない?」
妻が息子に微笑み、それから僕に話しかけた。
「今はイエローも女性レンジャーになったよね」
「あの頃は、ぽっちゃり男性の独占ポジションだったのにな」
***
僕と妻との馴れ初めは、大学時代の夏休み。〈地球戦隊夏祭り〉と銘打たれた、地方遊園地のヒーローショー
僕のカチンコはケツバット|#ポンコツ書き出しチャレンジ
「右手でけん玉、左手でヨーヨーをしながら、リフティングを百回する」
一学期最後の日、夏休みの目標を提出した僕は担任の松本に殴られた。ガキ使のケツバットでお尻を…だったが。なんで教員がそんなものを持っているのか、訳がわからない。
「お前たち、真面目に目標を書け!ふざけている奴は、夏休みを始めさせないからな。」
松本はケツバットを片手に黒板前に立ち、書き直しするまで僕たち3人を教室から絶対に出さ