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【小説】『うまれた』

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【小説】『うまれた』まとめてあります。完結済み。 28歳で待望の女の子、藍奈(あいな)を出産した波津子(はつこ)は、初めての育児で疲労困憊している。  藍奈はよく泣く子で、眠ると…
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【小説】『うまれた』第11話

 はっとして目が覚めた。  部屋の中はもうすでに明るかった。朝の光が部屋いっぱいに満たさ…

小山内 裕
2年前
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【小説】『うまれた』第10話

 調子がおかしくなり始めたのは、夫が出張にでかけた、その日の夜十一時くらいからだった。 …

小山内 裕
2年前

【小説】『うまれた』第9話

 外がまぶしくて、目が覚めた。  わたしはベビーベッドにもたれかかるようにしていた。気が…

小山内 裕
2年前
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【小説】『うまれた』第8話

 子どもがほしいと望んだのは、どちらが先だったのか。わたしもほしいと思ったし、夫も心から…

小山内 裕
2年前
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【小説】『うまれた』第7話

 やっと土日がやってきた。  わたしは、平日よりも断然、休日のほうが好きだった。  やるこ…

小山内 裕
2年前

【小説】『うまれた』第6話

 藍奈は泣き虫だ。  赤ちゃんは泣くもの、そうとわかっていても、こんなに泣くものだとは思…

小山内 裕
2年前
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【小説】『うまれた』第5話

 退院後、一週間ほどは実家にいたが、どうしても、家に戻りたくなった。長年一緒に暮らしていなかった母と、今さら一緒に暮らす。それは正直、衝突の連続だった。何十年も前の子育ての話を当然のようにされるし、実家にいる犬もしょっちゅう吠える。吠えれば必ず藍奈は目を覚ましてぐずり始めた。   わかっている。犬も母も悪くない。できあがっていた一つの家庭に、わたしと藍奈が無理やり入り込んだ結果なのだ。実家には一か月いる予定だったけれど、早々に切り上げて家に帰ることにした。  もともと、夫と二

【小説】『うまれた』第4話

 わたしが藍奈を出産した病院は、翌日からもう完全母子同室だった。陣痛中は、夫にずっとそば…

小山内 裕
2年前

【小説】『うまれた』第3話

 藍奈が生まれたのは、とても寒い日だった。  翌日は雪が降るんじゃないかと言われていて、…

小山内 裕
2年前

【小説】『うまれた』第2話

 藍奈(あいな)を産んでから、自分が眠っているのか、起きているのかわからない状態に、意識…

小山内 裕
2年前

【小説】『うまれた』第1話

 わたしはおそらく、徹底的にひとりだったのだと思う。  誰の存在よりも一番よく理解してい…

小山内 裕
2年前
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