しらみずまゆみ

社会教育と地域文化をフィールドにボラ活動を続けてきた一般市民です。メタボリズムを具現化した建築として有名な都城市民会館(2019年解体)の保存運動にも関わりました。それらの活動や子育て経験(二人の娘は成長し孫もいます)で感じたこと、役立つ話など綴っていきます。#建築 #社会教育

しらみずまゆみ

社会教育と地域文化をフィールドにボラ活動を続けてきた一般市民です。メタボリズムを具現化した建築として有名な都城市民会館(2019年解体)の保存運動にも関わりました。それらの活動や子育て経験(二人の娘は成長し孫もいます)で感じたこと、役立つ話など綴っていきます。#建築 #社会教育

最近の記事

「佐賀へ図書館視察に行く」体験エッセイ2015年2月記  

 都城市立図書館協議会の視察で、「佐賀市立図書館」と全国初のTSUTAYA運営で話題の「武雄市図書館」に行った。  1月の寒い朝、森副館長と会のメンバー6人がウエルネスマークの小型バスに乗り込む。風邪をひいた私はマスク姿で参加。何としてでも武雄の図書館を見たいと、医者にかかりインフルエンザ陰性も確認済みだ。  佐賀市立図書館は、地上3階地下1階だが、1、2階の中央に丸い吹き抜けがあり、都城大丸センターモールの改修後が想像できた。平日なのに利用者が多いので驚く。    自動貸

    • 進路を決める時 

      体験随筆……2015年10月3日記 随筆+α集『脱皮』より  「今度の模試の成績、すごく良かったなー。」 英語のT先生が、授業中にみんなの前で私を褒めて下さった。高校3年も2学期後半のこと。受験合否をうらなう重要なテストで、マークシートではなく全てが記述式の模試だった。  私はT先生に、厳しくて近寄りがたいイメージを持っていたので、突然のことに戸惑いうつむいた。 「特に国語はすごいな。学年4位だ。国語が出来るってのは、全ての教科に…………」 と先生の話は続く。眼に涙がたま

      • 引っ越したら住民票移そう

                    宮崎日日新聞の「窓」に投稿2010年10月    進学、就職などで古里を離れている若者の中には、住民票を移していない人がいる。そんな彼らの選挙権は宙に浮いたものとなる。  20歳になっても投票所入場券は自分の手元でなく、実家に届く。わざわざ投票のために帰省する殊勝な若者がいたとしても、実際の居住がないとなれば投票できないのだ。  このことはあまり知られていないようだ。住民票を移さなくても不都合はないと思っている若者や親が意外に多い。選挙は国政のほかに

        • 児童会はぜひ役員選挙して

                     宮崎日日新聞の「窓」に投稿2019年5月  児童会役員選挙を行わない小学校が増えているらしい。県内でも選挙をしていない学校が大方ではなかろうか。平成10年、娘から私の母校が既にそんな状況であると聞き、驚いたものだった。  一方、選挙を実施し自治教育をしっかり行っている学校もある。愛知県の成岩小では昨年26人が立候補したそうだ。選挙運動期間中の給食時間などに支持を求めて各クラスを回る。4年生以上が投票や立候補でき、3年生はオブザーバーとして参加。  「選

          児童会と生徒会の思い出

            子ども達に〝民主主義〟を簡単な言葉で説明する場合、「物事をみんなで決めようという考え方」となるだろう。1970年代に小・中学生だった私たち世代は、学校生活の中で、実践的で実に良い自治教育を受けたと思う。私の鮮烈な思い出を記してみる。 一、感動の児童会長選挙 私が小学生だった頃は、児童会長選挙が行われていたが、娘の時代になると、すでに選挙は行われなくなっていた。  私には同級生の素晴らしい選挙演説に感動し1票を投じた鮮烈な思い出がある。一有権者(一般児童)としての体験だ

          児童会と生徒会の思い出

          日南の魅力のひとつ「日南市文化センター」

           日南市民にとっては馴染み深い「日南市文化センター」が、ドコモモジャパンの2021年度選定建築物に選ばれた。ドコモモは近代建築の調査・保存などを行う国際的な組織。  文化センターは、世界的建築家・故丹下健三氏が設計した九州で唯一の作品で、1962年の竣工からちょうど60年になる。丹下氏の代表作といえる国立代々木競技場は、2度の東京オリンピックの会場となった。いま世界遺産をめざして動いている最中だという。    「日南市文化センター」を私が初めて訪れたのは、2008年5月のこと

          日南の魅力のひとつ「日南市文化センター」

          島津ご夫妻との想い出

            都城文化誌『霧』94号(2015年6月発行)掲載   故・島津久厚様の都城市葬に参列しました。平成26年11月22日いい夫婦の日。風もなく暖かい早水体育文化センターに大勢の人が集まっていました。舞台に設えられた祭壇には、白い菊の花に包まれて、都城島津家第28代当主の久厚様と穰子(しげこ)様の遺影がありました。  8月2日、95歳で旅立たれた久厚様。その6日前に奥様は突然お亡くなりになった事を、第29代当主久友様のお礼の挨拶の中で知りました。 「先に天国で、父を迎える準

          島津ご夫妻との想い出

          京都から島津発祥の地都城を思う

          都城文化誌『霧』84号(2009年3月発行)より  5月、とある会合で京都に行った。高校の修学旅行以来27年ぶりのことだ。前回は行けなかった金閣寺と町屋めぐりを観光に入れた。  読んでみたい三島由紀夫の『金閣寺』、まずは実物を先に見ておこうかと思ったのである。  開門の朝9時ごろに到着したが、すでにたくさんの観光客でごった返していた。写真を撮るのに人が写り込まないようにするのが難しいくらい。多くが修学旅行生と外国人。中国語や韓国語があちらこちらから聞こえる。  金色に輝く

          京都から島津発祥の地都城を思う

          田舎の家を売り払う

           この夏、母の生まれ育った田舎の家が売れた。曽於市の奥、国道10号から少し入った所にある築70年ほどの木造の家だ。買い手は定年を迎えた関東からの移住者で、都城出身とのこと。  売りに出したのは春。不動産屋は  「このあたりの田舎の物件は、値段の付けようがない。欲しいという人がいるかどうか・・・」  と不安げだった。私は  「田舎暮らしをしたいという、県外からの移住希望者に期待する」  と言い、値段は所有者である母の意向にそうようお願いした。   家の対面にある段々畑は農地法

          田舎の家を売り払う

          千の風になって・・・墓問題

          50代に近づき〝老い〟や〝墓問題〟がリアル度を増してきたように思う。    友人らとの飲み会で墓について話題にする事もある。配偶者や子どもがいても、のちのち墓を誰が守り継いでいくか、多くの人が多少なりとも気にかけているようだ。しかし、飲み会では、  「どこの家も同じ状況だね。そうなっていくともう無縁仏だね。そんな先のこと考えても仕方ない気がする。その時はその時の人たちが考えてくれるさ。」  で一件落着とし、万歳三唱して終了となってしまう。  私の父は、都城市内のお寺の納骨堂

          千の風になって・・・墓問題

          戦略的年齢の重ね方

            だれでも歳を取っていき、いずれは死を迎える。これはみんなに訪れる仕方のないこと。ならば、その歳を取るということを積極的に楽しもうと思う。趣味で、月1回通う文章教室の仲間たちと接するうち、そう思うようになった。もう10年になる。  文章教室では、46歳の私は1番の若輩者で、年上の魅力的な人々に接するのをいつも楽しみにしている。  高齢ながらもパソコンを学び、健康に気を配りながら、いくつもの重要な役目を担っていらっしゃるO先生。いくつになっても、旺盛な好奇心をもち向上心にあ

          戦略的年齢の重ね方

          更年期障害・・・体験エッセイ③

           この数年におよぶ私の心身の不調は、更年期障害のせいだったようだ。  女性は閉経をはさんだ前後10年間ほど、女性ホルモンの急減少により、めまい・腰痛・眼の乾燥・不眠・倦怠感・憂うつなどさまざまな症状に悩まされるものらしい。更年期に関する知識と、早めに専門医療へかかることが大切だという。  しかし、私は知識にとぼしく、代表的な症状であるホットフラッシュ(ほてりやのぼせ、発汗等)が全くなかったので、「更年期障害など無縁だ、ラッキー」と思っていたのだ。  最初の異変は53歳、頭痛

          更年期障害・・・体験エッセイ③

          睡眠負債・・・体験エッセイ②

           〝睡眠負債〟という語が最近注目されている。  睡眠不足が積み重なると、自律神経のバランスがくずれ免疫機能が低下。うつ病やガンなどの疾患をまねき、認知症にもなりやすいという。  私は自律神経の失調と、時々おこる免疫力低下を実感している。うつっぽい時もあったかな。「えーと、あの人の名前……」これは認知症の入り口だろうか?  睡眠は、休息と心身のメンテナンスに重要な時間。眠っている間にでる成長ホルモンが細胞の修復をし、脳内では記憶の整理が行われる。それなのに私は、時間がもったい

          睡眠負債・・・体験エッセイ②

          両眼の手術・・・体験エッセイ①

           2016年4月、左眼の網膜と両眼の白内障の手術をした。左眼の網膜の病気〝黄斑上膜〟が手術必要の段階まで悪化したからである。    左側が見えづらいせいで、左折の時に車をこすり、舗道の四角い消火栓に自転車で激突したりもした。校正の仕事にも支障が出始めた。  スクリーンの役目をする網膜にしわが生じているため、画像がヨレヨレに見える。カレンダーや本の文字が二重にずれて判読が難しい。真っ直ぐなはずの線がゆがんで見える。  〝黄斑上膜〟は老化によるもので、治療法は手術しかないという。

          両眼の手術・・・体験エッセイ①

          その手があったか! 18歳選挙権       ~引っ越したら住民票移そう~

                 都城文化誌『霧』95号(2015年10月)より  来夏(2016年)の参院選から、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる。240万人の若者が新たな有権者になるという。  「そうか、その手があったか!」今の20歳からの選挙権を18歳にしてしまえば、若者の選挙権行使に関して、私がずっと憂いてきた問題が一気に解決しそうである。  古里を離れても住民票を移さない若者が多い。私は、投票ほかさまざまな不利益があることを訴えてきたが、苛立ちと失望を覚えることが多かった。その

          その手があったか! 18歳選挙権       ~引っ越したら住民票移そう~

          「ピンポンダッシュの犯人は・・・」動物エッセイ③

           子どもの頃、弟や近所の友だちと「ピンポンダッシュ」といういたずらをやったものでした。近所のお宅の玄関チャイムを鳴らし、家の人が出てくる前にみんなでワーと逃げるのです。  今どきの子ども達はやらないようですが、私の頃は、玄関チャイムのある家の方が珍しかったので、何か閉ざされた特別な世界へのあこがれ、見つからないようにダッシュで逃げるあの緊張感が魅力だったのでしょう。  叱られたことは一度もありませんでしたが、そのお宅はどんなにか不愉快な思いをされたことでしょう。  一昨年

          「ピンポンダッシュの犯人は・・・」動物エッセイ③