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日南の魅力のひとつ「日南市文化センター」
日南市民にとっては馴染み深い「日南市文化センター」が、ドコモモジャパンの2021年度選定建築物に選ばれた。ドコモモは近代建築の調査・保存などを行う国際的な組織。
文化センターは、世界的建築家・故丹下健三氏が設計した九州で唯一の作品で、1962年の竣工からちょうど60年になる。丹下氏の代表作といえる国立代々木競技場は、2度の東京オリンピックの会場となった。いま世界遺産をめざして動いている最中だという。
「日南市文化センター」を私が初めて訪れたのは、2008年5月のこと。都城から夫と車で、坂元棚田、道の駅酒谷、日南ダムとめぐり日南市文化センターへ。青空と公園の緑とともに、存在感を放つ三角のコンクリート塊を写真に収める。運よく施設の方の案内で館内も見学。油津レトロ商店や堀川運河をめぐった後「青島青少年自然の家」へと建築巡礼に向かった。
その前年2007年は、「都城市民会館」がドコモモ選定建築物に・・・南九州で初の快挙だった。都城や日南・青島・県庁など魅力ある建築物をつないで観光振興を、と県に訴えて久しいが、都城市民会館はもう現存せず残念である。
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旧都城市民会館(左下)・宮崎県庁舎
さて、2回目の日南行きは2020年の秋。ひむかヘリテージ機構(地域の文化遺産の発掘・保存活用に寄与する組織)の講習会である。
東京から来訪の「磯達雄氏&宮沢洋氏の講演」を何としても聴きたい!と、路線バスで行った。お二人は、共著『昭和モダン建築巡礼 西日本編』(2006年・日経BP社刊)で、都城市民会館・日南市文化センター・青島青少年自然の家など、写真と楽しい文章・イラストで紹介して下さっている。
講演で、日南市文化センターが、「20世紀の素材=コンクリート」を如実に表し続けている公共建築物として、海外の本『世界の中のブルータリズム傑作50』(2018年)で紹介されていると知り感激した。
このような公共物は、もう日本では生まれない。日南の方々には大事に使い続けていって欲しい。
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解説を聴きながら館内や外周を見て回るのも楽しい。こうした充実の講演と見学会は、文化協会をはじめ地元の方々にこそ、味わってほしいものだと思う。
今回は一人で、宮崎交通一日乗り放題バス券(現在は2000円)を活用した。車窓の高いバスからの眺め、堀切峠から日南海岸線など格別の気持ちよさ。宮崎空港経由のため時間はかかるが、移動そのものを楽しむ旅もいいものだ。
日南は、海あり山あり、歴史も建造物も多彩な魅力を持つ。市民の文化施設もすごい建築物とくる。それらを巡るコースに、地場の美味しいものがプラスされれば、人気が出ること受けあいだと思う。
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ともに2008年5月 筆者撮影