死亡遊戯 【短歌十首】
あやとりの糸がこんがらかっていく僕らの臍がからまっていく
この街にきっと未来はないなあと思えるような生ぬるい風
隕石がしゅんと夜空で鳴るときに黄色い角をゆらす妹
もう来ないバスを虚しく待っているもう両耳がなくなっている
僕のドッペルゲンガーを見たといわれて安らかに眠りたい
ぎっしりと間隔ゼロで並んでて追い越し不可のこわい文字列
明日はきっとソーセージにされているホワイト労働者たちの静かな歩行
知らぬ間に世界は変化しているさ烏天狗のハルシネーション
さっきから聴こえる音は何だろう僕のあたまの第五関節
生きていた者は残らず死者となり死亡遊戯がはじまる時間