東北東 【短歌十首】
黒数珠を擦り合わせては釈迦牟尼の喉に刺さった小骨が痛む
三点で星を支えるマリオから筋肉の声地鳴りのごとく
パーティーはまだ終わらない白鳥が一羽残らず灰になるまで
大深度地下から一夜鳴り止まぬママンの悲鳴パパの足音
回転を止めないブルータスお前も同調してマリオネット
隕石が地面に刺さり燃えている突然終わる映画のように
閏日に溺れていたい昼下がり回転扉の向こうのひかり
オフェリアを演じる裾が広がってこんなに大きな夕焼けになる
休日の電車で黄泉をさまよってずぶぬれになるデニムのずぼん
東北がドアに向かって吠えている東北東にすばるが見える