ストレスを引き起こす3つの「べき思考」
「考え方の癖」はストレスと密接に関わります。
「べき思考」もその癖の一つ。
「○○するべきだ」「○○であるべきだ」
こうであらねばならないという求めが強いと、その通りにいかない時のストレスを生じさせるのです。
今回は、「べき思考」の代表的な3つのタイプと抜け出し方を説明します。
「べき思考」の3つのタイプ。
1.「私は○○べきだ」
「私は○○するべきだ」
「私は○○であるべきだ」
そうでないと私には価値がない。
そのような「べき」です。
完璧主義傾向を生み出し、その結果、無力感や自己嫌悪感など不快な感情を生じさせます。
きちんとやることは望ましいですが、それをやらないからといって、あなたが人から嫌われたり人生が損なわれると考えるのは大げさです。
2.「他人は私に対して○○べきだ」
「私と同じ意見を持つべきだ」
「私に親切であるべきだ」
のように。
そうでないと、気が済まない。
自分勝手な考えで、イライラや怒りなどの感情を抱きます。
他人をすべて自分の思い通りにすることはできません。
3.「世の中は私にとって○○べきだ」
「世の中は私のことを認めるべきだ」
「私が生きやすい世界であるべきだ」
のような。
そうでないと、不満を抱く。
世の中を恨んだり、妬んだり、劣等感に落ち込んだり、最悪は絶望することにつながります。
自分にとって都合の良い理想的な世界など存在しないはずです。
いずれのタイプの「べき思考」にも共通するのは、「期待」です。
自分や他人、世の中に対する期待があり、コントロールしようとするのです。
ストレスは期待と現実とのギャップによって生じるのです。
その期待が強すぎると、期待に応えられない時のストレスはやはり強くなります。
それでは、「べき思考」から抜け出すためにはどうすれば良いのか。
これらの例がヒントになればと思います。
1.自分の「べき思考」に気づく
まずは「べき思考」になっていることを自覚します。
どのタイプの「べき思考」になっているのか、何を期待しているのかを分析しましょう。
2.期待が現実的かどうか検証する
その期待は自分や相手または現実世界にとって妥当なものかを考えます。
非現実的な期待なら捨ててしまうか、ギャップを埋めるために修正しましょう。
3. 期待を「希望」に変える
期待:「○○べきだ」→思い通りにならないとストレス。
希望:「○○なら嬉しい」→命令を強いるのではなく、柔らかな希望を抱く。
「こうなれたらいいな」
「こうしてくれると助かるな」
「べき思考」は、ストレスを生じさせて結果的に自分を苦しめます。
このような思考パターンに気づいて抜け出しましょう。
今回は、ストレスを引き起こす3つの「べき思考」と抜け出すヒントをお伝えしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師