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【メンタルヘルス】メンタルヘルスの重要性についての話

WHO(世界保健機関)は健康の定義をこう述べている。

「健康とは、単に病気や虚弱でないということではなく、身体的、精神的、そして社会的に完全に良好な状態である。」
("Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.")

つまり、体の健康だと全体の3分の1となる。
体さえ問題なければ健康 ― というわけではないのだ。

臨床心理士・公認心理師のはしくれの僕は、健康の3分の1を占めるメンタルヘルスが主な領域となる。

僕の心理士(師)としてのミッションは、日本においてこのメンタルヘルスの実践を文化として生活に根差した形で普及をしていくことだ。

日本の現状を他の国や地域と比較をしてみよう。

1. アメリカ

  • 特徴:
    アメリカでは、カウンセリングやセラピーが非常に一般的で、メンタルヘルスケアが生活の一部として認識されています。特に次の点で根付いています。

    • 職場でのEAP(従業員支援プログラム)を通じた無料カウンセリング提供。

    • 保険制度でカバーされるメンタルヘルスケア。

    • 学校や大学でのカウンセリングサービスの普及。

    • カウンセラーやセラピストへの定期的な相談が日常的な自己ケアとして認識されている。


2. イギリス

  • 特徴:
    イギリスでもカウンセリングが普及しており、NHS(国民保健サービス)を通じて多くの人が無料または低価格で利用できます。

    • CBT(認知行動療法)などの科学的根拠に基づいたアプローチが一般的。

    • 職場や学校におけるカウンセリングサービスの提供。

    • メンタルヘルス啓発キャンペーン(例: Time to Changeなど)が広く行われている。


3. オーストラリア

  • 特徴:
    オーストラリアでは、メンタルヘルスが国の重要課題とされ、以下のような取り組みがあります。

    • "Better Access Initiative" による心理療法セッションの補助金。

    • 学校や地域でのカウンセリングプログラムの提供。

    • オンラインや電話での相談サービス(例: Lifeline Australia)。


4. スカンジナビア諸国(特にスウェーデン、ノルウェー)

  • 特徴:
    メンタルヘルスケアが社会福祉の一環として提供されており、次のような点でカウンセリングが浸透しています。

    • 国民が無料または低価格でカウンセリングを利用できる環境。

    • 職場でのワークライフバランスやストレスケアの重要性が認識されている。

    • 社会全体で精神的な健康をオープンに語れる文化。

―日本でのカウンセリング普及の現状―

日本では、カウンセリングが欧米のように生活に完全に根付いているとは言い難い現状があります。ただし、近年ではメンタルヘルスの重要性が認識され始め、カウンセリングの利用が徐々に増加している傾向も見られます。


現状:根付いていない部分

  1. 文化的要因

    • 日本では「悩みは自分で解決するべき」という考え方が根強く、他人に相談することをためらう人が多いです。

    • メンタルヘルスやカウンセリングに対するスティグマ(偏見)が残っており、「心の問題を抱えるのは恥」という認識がある場合があります。

  2. 認知の不足

    • 「カウンセリング」は深刻な問題を抱えた人だけが利用するものと誤解されがちで、日常的なストレスや軽い悩みでも利用できるという認識が十分に広まっていません。

  3. アクセスの難しさ

    • 心理カウンセラーや公認心理師の数がまだ十分ではなく、地方ではカウンセリングサービスへのアクセスが難しいことがあります。

    • カウンセリングは医療保険の対象外となり、費用の高さが利用を妨げる要因になっています。

  4. 職場や学校でのサポート不足

    • 職場や学校では、メンタルヘルス支援がまだ十分に整備されていない場合が多いです。

    • カウンセリングを利用すると「弱い」と思われることを心配する人もいます。


進展:根付き始めている部分

  1. 公認心理師の導入

    • 2018年に心理職の国家資格「公認心理師」が創設され、心理支援の質が向上し、信頼性が高まりました。

  2. 学校での普及

    • 学校にスクールカウンセラーが配置されるようになり、不登校やいじめなどの問題を抱える生徒やその保護者が利用するケースが増えています。

  3. 企業での導入

    • メンタルヘルスケアの重要性が企業で認識され始め、従業員支援プログラム(EAP)としてカウンセリングサービスを提供する企業が増えています。

  4. オンラインカウンセリングの普及

    • インターネットやアプリを利用したオンラインカウンセリングが広がり、手軽に利用できる環境が整いつつあります。

  5. 災害時の心理支援

    • 東日本大震災やコロナ禍を通じて、災害や危機的状況における心理支援が注目され、カウンセリングの必要性が広まりました。


今後の課題と展望

  1. 認知度向上

    • カウンセリングが「心の問題を抱える人だけのもの」ではなく、日常的なストレス管理や成長のために利用できるものとして広く認識される必要があります。

  2. 費用負担の軽減

    • カウンセリングを医療保険の対象とするなど、経済的なハードルを下げる取り組みが求められます。

  3. 地域での普及

    • 地方やSNSでのサービスを拡充し、誰でも利用できる環境を整えることが重要です。

  4. 教育現場でのさらなる活用

    • 子どもだけでなく、保護者や教職員も利用できる体制を強化する必要があります。


まとめ

日本では、カウンセリング文化が完全には根付いていませんが、教育現場や企業、オンラインサービスを通じて徐々に普及してきています。
心の健康を生活の一部として捉える

文化を育むこと

が、今後の課題といえます。

僕は、このnoteを通して微力ながらメンタルヘルスの実践が出来る知識の普及を行っています。

また、現在の日本においては欧米諸国と異なり、カウンセリングは保険適用にならない構造上の問題から、高価となる現状があります。
その為、まずは専門家に相談をしやすい文章での相談、「読む処方箋」を開始しました。
必要な方はぜひご活用ください。

今回はここまで! 次回もお楽しみに😊

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心理士おくけん
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