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岩明均『ヒストリエ』12巻についての考察(後編)
さて、後編を書いていきます。
前編のリンクはこちら。
ほんのわずかの違和感先に書きますが、『ヒストリエ』を1巻から何度となくずっと読んできて、この12巻の展開については少し違和感がありました。漫画としてはダイナミックで面白いのですが、ほんのわずか、細かく丹念に積み上げてきたはずの物語のバランスが崩れているような気がしたのです。
その理由ですが、どうしてもアリストテレスによるフィリッポスの蘇生
岩明均『ヒストリエ』12巻についての考察(前編)
11巻から5年。ようやく出ました12巻。
発売日である6月21日の夏至の日に購入。
さっそくネタバレを含みながら書いていきたいと思います。
歴史ものなので、史実を調べることでどうしても「物語の先」が見えることになります。このエントリはそこについても言及するのでご注意ください。
さて、この作品は随所にユーモアを散りばめながら、「決め」のところではかなりエグい描写を使ってくるので油断なりません。
荒木飛呂彦『魔少年ビーティー』
18歳の春、仙台にあるデザイン専門学校の見学に行った際、玄関横のロビーにあるソファで待つ間に渡されたのは「ジョジョの奇妙な冒険」のコミックスの束だった。
「当校の卒業生の作品です」
漫画読みなら知らないものはいない荒木飛呂彦とのそれが初めての出会い…というのは嘘で、「ジョジョ」の第一部も僕は「少年ジャンプ」でリアルタイムで読んでいたし、なんならその前のいくつかの短い連載作品もほとんどすべて読んでい
20220522 ドラゴンタトゥーのソーシャルネットワーク
土曜日の夜は「ドラゴン・タトゥーの女」を観てた。そして金曜の夜は「ゾディアック」を観ていたので、デヴィッド・フィンチャー監督の映画を立て続けに観ていたわけである。
なんでいきなりフィンチャー祭りなの?と言われると答えに窮するが、理由の一つは、以下の鼎談動画でSSこと佐藤くんがこう言っていたのを思い出したからでもある。
「デヴィッド・フィンチャーは、基本的にハズレがない。1本もない」
彼のこの強い